大日本印刷(DNP)は8日、目に優しく読みやすい明朝体フォント「秀英横太明朝」を開発したと発表した。「秀英横太明朝」は、ユニバーサルデザインを志向し、同社オリジナル書体「秀英体」の横線を太くして視認性を高めたもの。映像に用いられた時や、高齢者や弱視者向け印刷物において、明朝体の文字が読みやすくなるとしている。今回の開発は、2006年1月より着手した同社オリジナル書体「秀英体」デジタルフォントの開発事業「平成の大改刻」の一環。

「秀英横太明朝」サンプル

従来の明朝体フォントでは、漢字の横線が縦線に比べ細いため、環境により視認性が低くなり、テレビなど映像での使用時や視力が弱い人が印刷物を読む場合に文字が見えにくいという課題があった。今回の開発では、そういった課題に対し、同社オリジナル書体「秀英体」の明朝体を用い、漢字の横線を「秀英体」の約1.8倍に設定。漢字の"はらい"や仮名のしなやかな筆の運び、太さの強弱を残したまま、文字の視認性を高めた。

同社では、現在約9,000文字ある「秀英横太明朝」を2009年までに約2万文字まで揃える予定だという。また、同社グループ製作の映像や印刷物に同書体を使用し、視認性の評価を進め、将来的には社外への提供も行い普及を目指していくとしている。なお、この「秀英横太明朝」は7月10日から東京ビッグサイトで開催される「第15回東京国際ブックフェア」の同社ブースにて紹介される。