NECとNECソフトは、自社のセキュリティポリシーを満たさない対策不備のPCを社内ネットワークから隔離し、治療(修正)する協調型セキュリティ製品「InfoCage PC検疫 V2.0」を発売した。ネットワーク構成やセキュリティ状況の自己診断をはじめとする運用管理機能の強化、シンクライアント環境への対応、 F5ネットワークスジャパンのネットワーク機器「FirePass」との連携が主な強化点であり、価格は92万円から、出荷開始は8月1日を予定している。

運用管理機能の強化では、自動診断機能や管理サーバの二重化対応、オンラインバックアップ機能を装備。エージェントソフトである「InfoCageエージェント」が未導入PCを自動検出しアクセス制御することで、ウイルスやワーム感染からシステムを保護する。

またPCやサーバ、ネットワークの状態から問題点や障害箇所を自己診断し、PCのクライアントファイアウォールやネットワーク機器と連携した協調型セキュリティを実現する。

管理サーバの二重化対応では、待機系サーバでの業務継続と緊急時のポリシー変更が可能になり、管理サーバのハードウェア障害時のサーバ切り替えに伴うサービス停止時間を短縮できる。検疫サービスを停止せずに実行可能なオンライン自動バックアップや、すぐにパッチを適用できない環境でも業務を継続できる、検疫実行の猶予期間の設定に対応した。

シンクライアント環境への対応では、NECのマルチレイヤスイッチ「UNIVERGE IP8800シリーズ」との連携により、シンクライアント環境下での不正端末接続防止を実現。許可されたシンクライアント端末のみを接続許可する機能や、不正に接続しようとする無許可の端末を検知して、ネットワークへ接続の遮断が可能であり、既存環境とシンクライアント環境が共存または移行する場合も利用できる。

F5ネットワークスのFirePassとの連携では、SSL-VPN機能により社内ネットワークにリモートアクセスするPCを、FirePassのエンドポイントセキュリティチェックでセキュリティ要件を満たすか否かを自動識別し、InfoCage検疫ネットワークで隔離・治癒を行うまでの一貫したプロセスを提供する。これにより、社内・社外で同一のセキュリティポリシーで管理可能となり、システム全体のセキュリティレベルの向上と運用工数の削減が実現するという。

なお、F5ネットワークスのInfoCage WORKSへの参加で、パートナー数は10社になった。

「検疫エージェント」画面

「検疫ポリシ管理コンソール」画面

「検疫エージェントの診断」画面