スポーツ選手のマネジメントビジネスを展開するスポーツビズは23日、メディアセミナー「選手を基盤としたスポーツマネジメントビジネス」を開催した。間近に迫った北京オリンピックや2016年の東京オリンピック誘致など、大規模市場となりゆくスポーツビジネスの目指すべき方向について、日本スポーツマネジメント学会会長の原田宗彦氏、参議院議員の荻原健司氏らそれぞれの立場で見解を語った。
早稲田大学スポーツ科学学術院教授で日本スポーツマネジメント学会会長の原田宗彦氏は日本のスポーツ産業の発展、北米と日本のスポンサー市場の違いをマーケティングビジネスの視点から述べ、選手が企業の商品普及を務めるエンドーサー(推奨者)として、アイデンティティの形成過程にある10代に特に影響力が強いことを指摘した。また日本人のスポーツ選手には、タイガー・ウッズやアンドレ・アガシのような世界的なエンドーサーが少ないことから、「親しみやすさ、関連性、尊敬、差異化など、"尊敬"集める全人格的イメージの成長」の必要性を訴え、日本のスポーツ産業がまだまだ"伸びしろ"のある分野だと期待を込めて語った。
スキーノルディック複合選手として2度にわたる金メダルを獲得し(アルベールビル、リレハンメル)現在、参議院議員の荻原健司氏は、秋の臨時国会での成立を目指しているという「スポーツ振興法の改定」について説明。2016年の東京オリンピック誘致に備えて、現行法には制定のない「国の責務」を追加することの重要性を説いた。また、改正案の軸として、(1)人材の育成(2)選手の環境(活動の基盤作り)(3)財政面、を掲げ、特に財政面では、国会で議案として検討されている「スポーツ省(庁)」の設立を実現することで、選手がスポーツを続ける上での財政支援をしていきたいと積極的な姿勢を示した。
その他、現役選手の立場として、トリノオリンピックアルペン競技4位の皆川賢太郎選手は「選手がよい結果を出し、社会貢献するのためには、練習に集中できる"環境"が大事」と述べ、スポーツビズの代表取締役 山本雅一氏は「今後のアスリートマネジメントには、選手のマネジメントはもちろん、スポーツの少子化が進む中で、国や地方自治体と協力して、人材育成に力を入れるべき」とそれぞれの立場で重要な点や課題を明確に語った。
プロ選手のスポンサー契約、移籍などが大々的なニュースとして報道され、以前よりも1選手の価値が重要視されている「スポーツビジネス」。スポーツビジネスのキーはアスリートの発掘と育成、そして現役引退後のセカンド・サードキャリアの道筋を提供できる社会構造作りだという。2016年のオリンピック誘致に向けた国の施策や企業の取り組みが、今後のスポーツビジネスの発展に大きく影響することだろう。
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