シトリックス・システムズ・ジャパンは、デスクトップを仮想化する「Citrix XenDesktop」と、XenServerの最新版「Citrix XenServer 4.1」を発表した。Citrix XenDesktopは本日より、XenServer 4.1は7月末より、パートナーを通して販売される。

「Citrix XenDesktop」は、デスクトップ環境を仮想化する製品。OSおよびアプリケーションの実行はCitrix XenServerサーバで行われ、画面をイメージをICA(Independent Computing Architecture)を通して各デスクトップに配信する。従来からあるCitrix XenAppは、アプリケーションを仮想化する製品だが、「Citrix XenDesktop」はデスクトップ環境そのものを仮想化する。

代表取締役社長 大古俊輔氏

シトリックス・システムズ・ジャパンの代表取締役社長 大古 俊輔氏は「各ベンダーから仮想化に関するさまざまな技術が提供される中で、シトリックスの付加価値がどこにあるかといえば、デスクトップ(仮想化)の部分だろう。自分のデスクトップ環境が自分の机の上にある必要はない。サーバ、ネットワーク、アプリケーションの仮想化にデスクトップを加えることで、仮想化の新たなステップを開くものと確信している」と述べた。

サーバ側では、ユーザーごとにデスクトップイメージを持つのではなく、WindowsデスクトップOSのマスターイメージを持ち、ブート時、マスターに対して各ユーザーごとの個別の設定を反映して提供する。対応OSは、Windows XPとVistaだ。

デスクトップデリバリコントローラがユーザーからのリクエストを受け、ユーザーのがプロファイルを判断して、適切なデスクトップの接続を仲介する。Provisioning Serverが、各ユーザーのプロファイル、個別設定、ActiveDirecrtory等のひも付けを管理する。

また、XenServer上の仮想環境だけなく、ブレードPCにもICAを通して接続できる。

ブレードPCにもデスクトップデリバリコントローラ、ICAを通して接続できる。

今回Full-Screen Onlyモードがサポートされ、仮想環境のOSのシャットダウンと連動して、端末の電源も落ちるようになった。

接続先の選択画面

仮想環境のVistaから仮想環境のXPに接続し、IE6を起動したデモ

Citrix XenDesktopには、Enterprise Edition、Advanced Edition、Standard Edition、Express Editionの4つのエディションがあり、1クライアントあたりの価格と、コンポーネントの違いは下図の通りだ。なお、Enterprise Editionには、XenAppのライセンスも含まれている。

エディション別のコンポーネントと価格

マーケティング本部 本部長 山中理惠氏

マーケティング本部 本部長 山中理惠氏は、「アプリケーションの仮想化ではワールドワイドで1億、日本で100万のライセンスを販売しており、10年以上の実績がある。ただ、アプリケーションの仮想化だけでは、すべてのユーザーのニースを満たすことができなかった。シトリックスというと、シンクライアントのイメージがあり、CPUに依存しない、固定業務を担当するタスクワーカーと呼ばれている人向けのソリューションというイメージが強かった。今回のXenServer 4.1、XenDesktopの発表にともなって、企業の中で戦略的な業務に就いていられる方、パワーユーザーといわれるCPUに依存するアプリケーションを利用する方についても、サポートすることができる」と語った。

XenApp、XenDesktopのターゲットユーザー

一方、Citrix XenServer 4.1では、「Citrix XenApp」に対する最適化、ストレージ製品との連携の強化、およびCitrix XenServer Platinum Editionの追加の3点の変更が加えられている。

ストレージ製品との連携強化では、XenServerの管理コンソール「XenCenter」から直接ストレージアレイを管理できるようになったほか、NetApp Data ONTAP OSに対応した。

また、今回追加されたPlatinum Editionは、仮想と物理の両サーバに対してワークロードのプロビジョニングができる機能を統合した。

各エディションの価格と機能は下図の通り。

XenServer 4.1の各エディションの価格と機能