19日(米国時間)はOpenJDKにとって記念すべき日となった。Fedora 9 (x86版およびx86_64版)に同梱されている最新のOpenJDK 6バイナリがJava TCKの互換試験にクリアした。つまりこれはFedora 9に搭載されているOpenJDKは、歴史上はじめて完全FLOSSで実装されたJava SE 6実装と認定されたことを意味している。

Sun Microsystemsは2006年11月13日(米国時間)、JavaをGPLv2のもとで公開すると発表。公開できない一部を除いてJava ME、Java SE、Java EEのソースコードが順次公開された。JavaOne 2007ではOpenJDKを正式発表。全体の約96%のソースコードが公開された。

翌月となる2007年6月7日(米国時間)、Red HatはすべてFLOSSで構成されたOpenJDKを構築するためのプロジェクトThe IcedTea Project発足を発表。残り4%をFLOSSで実装し、完全FLOSSなOpenJDKの完成へ向けて取り組みを開始した。2007年11月5日(米国時間)にはOpenJDKとアグリーメントと締結し開発を加速させている。

JavaOne 2008ではIcedTeaの開発成果もあり、OpenJDKは完全フリーになったと発表。そして発表から1ヶ月、Fedora 9のOpenJDK 6バイナリがJava TCK互換試験に合格したという報告だ。JavaのGPL化が発表されてから1年と7ヵ月、ついに公開された当初の最初の目的が達成されたことになる。

OpenJDKはこれまでよりもJavaプラットフォームを広げる可能性をもっている。FreeBSD Javaのように独自にSunと交渉して承認を得てきたプロジェクトもあったが、それ以外は承認が得られないままでいた。FreeBSD JavaをLeopardに移植したSoyLatteもあるが実験的移植にとどまり正式リリースには至っていない。そこでOpenJDKだ。Haiku ProjectがOpenJDKの移植を表明したり、SoyLatteの成果物もOpenJDKへのマージが期待されている。今回OpenJDK 6 on Fedora9が試験に合格したことは、これらプラットフォームでも同レベルのJavaプラットフォームが取得できることを示唆するうえできわめて興味深い。