PGPは米国時間の6月9日、プリブート認証を備えたMac向け「PGP Whole Disk Encryption 9.9」を発表した。FIPS 140-2に認定されたデスクトップ暗号化ソリューションとしては、WindowsとMac OS Xをサポートする唯一の製品とアピールしている。

Macを盗難または紛失した際に、Whole Disk Encryptionはパソコン内、外部ドライブ、USBフラッシュドライブなどのコンテンツを、ブートセクタやシステム、スワップファイルを含めて完全に保護してくれる。またPGP Encryption Platformアプリケーションとして、PGP Universal Serverを通じたポリシーやユーザー、認証鍵の管理、展開やポリシー実行に対応する。

Windows向けのWhole Disk Encryptionはすでにプリブート認証をサポートしていたが、MacはIntel CPU移行によるEFI採用のタイミングが遅れたこともあり、同プラットフォーム向けには同様のソリューションが存在しなかった。ところが、ここ1~2年の間に、企業からMac向けのフルディスク暗号化を求める声が強まっていたという。Forresterの2007年の調査によると、Macを採用している企業は4.2%。規模としては小さいが、前年から3倍の増加だった。Yankee Groupが250社を対象に行った最新のアンケート調査では、社内にMacがあるという回答が全体の87%に達した。2年前の調査では48%にとどまっていた。

「エンタープライズでのMacノートおよびデスクトップの利用が過去数年で急増しており、今後も成長が続くと予測している」とEnterprise Strategy GroupシニアアナリストのJon Oltsik氏。「これまでエンタープライズ市場では、Macが提供する使いやすいアプリケーション群を使いたくても、データセキュリティ・ソリューションに欠けるという問題があった。標準ベースで、信頼性の高いMac OS X向けの暗号化は、エンタープライズで高まるニーズに応える待望のソリューションになる」とコメントしている。

Whole Disk Encryption 9.9がサポートするのはMac OS X 10.4以降を搭載したIntel Mac。7月発売を予定している。