たばこの自動販売機を利用するために必要になる成人識別ICカード「taspo(タスポ)」が波紋を呼んでいる。タスポは、未成年者の喫煙防止対策の一環で導入中の「成人識別たばこ自動販売機」を利用する際に必要だが、タスポの未取得者のために業者がタスポを他人に貸し出す行為が度々発覚しているのだ。
タスポがないとたばこが買えない「成人識別たばこ自動販売機」は、パイロットエリアに選ばれた宮崎/鹿児島で今年3月に導入されたのを皮切りに、5月より北海道/東北/中国/九州(沖縄を除く)/四国、6月より北信越/近畿で順次導入され、7月の関東/沖縄の導入で全国的に完了する予定だ。
福岡県などで、業者がたばこの自動販売機に成人識別ICカード「タスポ」を自販機に備え付け、自由にたばこが買えるようにしていたが、警察からの指摘を受け撤去するという事件が起きた。これに対し、タスポを発行する日本たばこ協会は、「タスポの譲渡と貸与は禁止している。問題になった福岡のケースは、警察などの指摘を受けた後、業者はすみやかに対処し撤去している。福島など他県でも同様のケースが報告されているが、いずれも指摘後に撤去済みであるため、(4日現在で)発行済みのタスポを回収する考えはない」と話す。しかし、このような行為が継続された場合は、「回収も検討する」と厳しい見解もみせた。
また、業者が成人を確認した上で貸し出しができるようなタスポを発行する予定はないのかを聞いたところ、日本たばこ協会は「法人用のタスポはつくるつもりはない」と、たばこ自販機を利用する本人がタスポを持つことの姿勢を崩さなかった。
現在、タスポの発行枚数は470万枚。喫煙人口2600万人に対して約18%に相当する。これに対し、日本たばこ協会は、「喫煙者のうち、たばこ購入時の8割は自動販売機を利用する人は全体の36.2%というアンケート結果がある。全喫煙者がタスポを利用するとは想定していないし、36.2%の約半分の方がすでにタスポを申し込んでいると考えれば、まずまずの数字ではないか」と見解を示している。
2日に同じく福岡県でおきた母親が未成年の息子にタスポを貸し書類送検になった事件は、未成年喫煙防止法にも抵触する行為であり論外だ。しかし、業者による身分確認後のタスポ貸し出しやタスポ発行不可能な外国人旅行者への対応など、短期的にタスポを必要としている利用者への対応は皆無に等しい。
タスポの普及率は決して高い数字ではないだけに、申込方法や発行方法の改善など、今度の動向に注目したい。
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