九州工業大学は30日、仲谷マイクロデバイスと沖電気工業と共同で新しい半導体パッケージおよびその実装工法となる両面電極パッケージ(DFP:Dual Face Package)を開発したことを発表した。

同DFPは、上下の構造を同じにすることができ、また接続領域もパッケージ全面を使用することができるため、構造的に反りの発生を低減することが可能である。また、上下の接続エリアがパッケージ内側に配置できることから、小型で薄型の実装を実現することが可能である。

製造プロセスも指示板を持つ配線付ポスト部品(PWC)を追加接続するだけで、ほぼ従来工程と同じプロセスで製造することが可能だ。このため、従来の量産技術として確立されている電鋳法を用いることが可能であり、適正コストでの供給も可能になるという。この部品の提供は九州日立マクセルが行う予定としている。

また、DFPの基本技術は、WLCSP(Wafer Level CSP)やイメージセンサ、CoC(Chip on Chip)にも適用が可能である。DFPはPWC部品をパッケージ基板に接続しているが、この部品を直接LSIチップに接続することでWLCSPの構造を形成することができるという。

なお、現在、同技術は信頼度試験を含め基本技術の確認段階にあるが、今後は関係企業と協力して量産技術と協力して量産技術の確立に取り組むとしている。