米Dellは5月29日(現地時間)、2009年第1四半期(2008年2-4月期)決算を発表した。同四半期の売上は160億7700万ドルで前年同期比9%の上昇、純利益は7億8400万ドルで4%のアップだった。ノートPCやサーバ製品が好調で、それをさらにコスト削減効果が押し上げた形となった。

製品出荷数ベースでは22%の増加で、特にサーバの出荷台数は業界平均の3倍にあたる21%増だったという。ストレージ製品の売上は15%アップ、拡張サービスの売上は13%の増加だった。最も伸びが顕著だったのがノートPC製品で、出荷数ベースの伸びでは43%増だったという。ノートPCは、同社がいまもっとも力を入れている分野でもある。同社がPC販売でライバルのHewlett-Packard(HP)に後れをとる結果となったコンシューマ分野についても急速に販売力を強化しており、この分野での出荷台数の伸びは業界平均の2倍近い水準だったとDellでは説明する。またDellでは過去1年間で全体の8%にあたる7000人の従業員削減を行っており、今四半期だけで約3700人を削減している。これに買収等で新たに2700人が同社に参加しており、トータルでは5%程度の減少に収まるという。

地域別に分析すると、今回は日本を含むアジア太平洋(APJ)地域ならびに欧州・中東・アフリカのEMEA(Europe-Middle East-Africa)地域の伸びに牽引された面が大きい。APJでの売上増加は19%で、出荷数ベースでは31%増となる。もう一方のEMEAは15%の売上増で出荷数ベースでは30%のアップ。同地域では出荷数ベースで59%増と特にノートPCの伸びが大きい。これら地域でも特にBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)と呼ばれる新興地域の伸びは高く、インドと中国はAPJの高成長を牽引している。BRICsを含む新興地域全体の売上は73%増で、出荷数ベースでは58%アップとなった。Dellによれば、米国外での売上が米国のそれを上回ったのは今回の2009年第1四半期決算が初だという。

「われわれはすべての製品カテゴリならびに世界中のすべての拠点で成長を実現するための戦略を実践している。これが早期に表れた結果となった。引き続きこの戦略を通して、業界(標準)よりも素早い成長を実現し、売上や採算性、キャッシュフローの面で株主にとっての価値を増加させていけるだろう」と米Dell会長兼CEOのMichael Dell氏は述べている。