ドイツBMWグループのデザイナー、シュテファン・オーグスティン (Stephan Augustin) が考案した新しい概念の水のろ過機「ウォーター・コーン (Watercone)」に対し、ブリュッセルの国際評議会は2007年度ナショナル・エナジー・グローブ・アウォード (National Energy Globe Award)を授与した。また、ウォーター・コーンは2008年末からドイツ・ミュンヘンのティノックス社によって量産される予定。
ウォーター・コーンは海水や半塩水をろ過するソーラー式の円錐形(コーン)浄水装置。プラスチック製のコーンは外板が頑丈であり、水上・陸上どちらでも使用できる。太陽光線により蒸発した水をコーン内側の面に結露させ、水滴は下部の溝に蓄積される。溜った蒸留水はウォーター・コーン上部の蓋を開けて注ぐ仕組み。
ウォーター・コーンは耐磨耗性があり、UV(紫外線)カット加工された頑丈なポリカーボネートで作られ、最低でも5年間機能することが保証されている。考案者のシュテファン・オーグスティンは実用性を重視して設計しており、BMWの風洞で実験した結果、最大風速55km/hでも問題なく機能することが判明。天候条件に左右されず使用できるとしている。
このウォーター・コーンでは、1日あたり約1.6リットルの飲料水を確保できる。これは世界中の水資源問題の解決につながるものでもある。UNICEF(ユニセフ)の専門家によれば、不衛生な飲料水が原因で毎日推定5000人もの子供たちが下痢性疾患で亡くなっているという。ウォーター・コーンを使用すれば、アジア、アフリカ、南アメリカの沿岸部に暮らす人々も、海水から飲料水を生成できる。さらに、重金属やその他の汚染物質を排除することも可能になる。
オーグスティンは、ウォーター・コーンのアイデアをカナリア諸島での休暇中に思いついた。広大な海を目にし、「どうすればこの豊富な海水を日常的に飲み水として供給できるだろうか?」と考え、「飲み水に困っている人たちに人道的支援をしたかったのです」とも述べている。
今回のウォーター・コーンや受賞に対し、ドイツBMWは次のようなステートメントを発表している。「持続可能な開発戦略に基づき、BMWグループは世界中の生産拠点での水資源管理について十分な配慮をしています。工業用水の循環利用を推進することにより、過去5年間で車両生産の際に使用される水の量は1台当たり35%削減されました。2007年初め以来、シュタイヤーにあるBMWグループのエンジン工場では、生産過程で使用された水は廃棄されずに再利用されています。この世界初の無排水生産プラントのおかげで年間約3000万リットル節水されています」
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