コマ・スタジアムは28日、"演歌の殿堂"として親しまれてきた「新宿コマ劇場」を12月末に閉館すると発表した。そのニュースがマスコミを通じて報じられ、一晩たった雨の新宿歌舞伎町。劇場の前には赤く書かれた「本日休演」の文字が一際目立って見えた。
チケット売り場には、前売り券を買い求める人らが訪れ、閉館を惜しんだ。「新宿に住んでいるので、夫婦でよく訪れていました。無くなっちゃうのは寂しいねぇ」。"コマ劇ファン"の男性は、そう言って寂しく笑った。
売り場で働いている女性従業員に聞いてみると、「前売り券を買いに来てくれるお客さんが『寂しいね』『残念だね』って。『B席にしようと思ってたけど、最後ならA席にするわ』といって席を変更したお客さんもいましたよ」と感慨深げに話す。
コマ・スタジアムの発表によると、今回の閉館は演歌公演の観客動員減少が影響しているという。近隣で飲食店を営む男性は「昔に比べて目に見えてお客さんが減っていたね。時代の流れなのか仕方ないのかね」と語る。そのほか「ちょっと怖くて訪れにくいということはありましたよ」と立地を指摘する年配女性もいた。
また、劇場の老朽化も要因のひとつとされている。「築51年を経まして、最低限のリニューアル工事を繰り返してまいりましたが、内装・舞台機構の機械部分等に特に老朽化が目立ち始めました。ただし、事業には現在支障は出ておりませんので、通常業務は続けております」(コマ・スタジアム)。
新宿コマ劇場は1956年12月、大衆に親しまれる劇場として創設。阪急電鉄創業者である小林一三の最後の事業であった。美空ひばり、北島三郎、小林幸子など大物演歌歌手の特別公演が行われていることでも有名で、来場者数は現在までにおよそ5,000万人を突破し、"演歌の殿堂"として永きにわたり親しまれてきた。
テレビ東京系で大晦日に放映される『年忘れにっぽんの歌』の生放送を持って幕を閉じることになる新宿コマ劇場。なお、公演としては「愛と青春の宝塚 ~恋よりも生命よりも~」が最終となる。
今後の再開発について、コマ・スタジアムは「東宝の支援の下、協同して再開発してまいりますが、現在のところ協議を重ねている状況であり、具体的に発表できる段階に至っておりません」としている。なお、公演の制作販売は他劇場を利用して続けていくとのことだ。
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