NRIセキュアテクノロジーズは22日、全国の16歳以上のインターネットユーザーを対象にした「情報セキュリティに関するインターネット利用者意識調査 2008」を発表した。有効回答数は2,000人、うち企業や団体などに勤務しているビジネスユーザーは966人。回答者の過半数がスパムメールをトラブルと見なしており、7割以上が情報セキュリティに対するリテラシー向上を企業など組織に求めている。

過去1年間に遭遇したトラブルではスパムメールが51.8%で最多だった。以下、コンピュータウィルスの感染(22.3%)、身に覚えのない請求(17.1%)、スパイウェアの感染(16.9%)、ワンクリック詐欺(13.4%)と続く。いずれのトラブルにも遭遇していない回答者は全体の26.3%であり、2006年度の調査における36.0%と比べると何らかのトラブルに遭遇した比率が増加している。トラブルに遭遇したうち金銭的被害があった比率はオークション詐欺が56.8%で最も多く、その平均被害金額は4万2,503円だった。次いでパソコンの盗難(26.9%)、RMT(Real Money Trade: オンラインゲームのアイテム等の有償取引)での詐欺(16.0%)が多い。

インターネット利用者が過去1年間に遭遇したトラブル(出典:NRIセキュアテクノロジーズ)

トラブルにあった回答者の金銭的被害状況(出典:NRIセキュアテクノロジーズ)

業務で使っているノートパソコンへのセキュリティ対策では、ウィルス対策ソフトの導入が8割を超えている一方、ハードディスクの暗号化(15.8%)やUSBメモリの暗号化(9.5%)は2割以下で、盗難・紛失時の対策が遅れていることが明らかになっている。

業務で利用しているノートパソコンへのセキュリティ対策の実施率(出典:NRIセキュアテクノロジーズ)

また、会社の許可を得ずに社外にノートパソコンを持ち出しているユーザーは、18.2%、社外持ち出しに関するルールがあるかわからないと回答するユーザーが21%おり、社内ルールを徹底する対策の必要性が明らかになっている。

会社のノートパソコンの社外持出状況(出典:NRIセキュアテクノロジーズ)

ビジネスユーザーに企業内の情報管理を徹底させるために望ましい方策を5つまで挙げさせたところ、「社員の情報セキュリティ教育の実施」が58.6%と最多であり、「社内の情報管理ルールの明確化」も50.6%で過半数に上った。技術的な対策を求める声は少なくないが、それ以上に人的な対策の必要性を感じていると読み取れる。