世界最大規模のSNSサイトである「Facebook」がMicrosoftに買収される日がやってくるかもしれない - 米Wall Street Journal(オンライン版)の5月7日付(現地時間)の報道によれば、米Microsoftの投資家らが最近になって米Facebookに接触し、同社のMicrosoftへの売却の可能性を打診したという。これは同件に近い筋の人物からの話として伝えたもので、それによれば両社間で積極的な話し合いはまだ行われておらず、実際にFacebook側が売却の意図を持っているかは不明瞭だという。

Microsoftは2007年9月、Facebookに2億4,000万ドルを投資して同社株の1.6%を取得している。Facebookは現在未公開企業だが、これから逆算すると同社の昨年時点での時価総額は150億ドルということになる。WSJによれば、Microsoftは過去3年間にも何度かFacebook買収に興味を示していたという。

米Microsoftは5月3日(現地時間)、米Yahoo!に対して行っていた1株あたり31ドルの買収提案を撤回している。Yahoo!の件と今回のFacebookの件が結びついているかは不明だが、MicrosoftにとってFacebook買収は1つのオプションになる可能性がある。業界全体が低迷へと進むなか、シリコンバレー内ではFacebookが株式公開{IPO}成功を期待される唯一ともいえる存在になりつつある。実際、近年はIPO後に株価が低迷したまま浮上できない企業も続出しており、企業自身の売却などIPO以外の道を模索するケースが増えつつある。米国の株式市場が冷え込むなか、FacebookがIPO以外の道として企業売却を視野にいれる素地は十分にある。

シリコンバレーの発祥地、米カリフォルニア州パロアルト中心部にあるFacebook本社