フィルタリング技術を開発するネットスターとヤフーは24日、子どものインターネット利用について考える研究会を立ち上げると発表した。成長レベルに応じた適切なウェブサイト選びなど、子どもたちのネット利用についての実際的な調査・研究を専門家らが行うと同時に、研究結果をフィルタリングサービス・技術などに還元するとしている。

掲示板やSNS、プロフィールサイト(プロフ)など子どもたちが頻繁に利用するネットサービスが拡大する一方、こうしたサービスを通じて児童・生徒がさまざまなトラブルの被害者・加害者となる事例が報告されており、若年層のネットリテラシーの不十分さが指摘されている。

一方、保護者のほうも、自身のネット体験が現在の子どもたちと大きく異なっているため、十分な指導や教育が難しい状況となっている。

ヤフーとネットスターはこうした状況を改善するため、成長レベルに応じた適切なウェブサイト選びなど、子どもたちのネット利用について専門家らによる実際的な調査・研究が必要と判断、今回の研究会立ち上げとなった。

5月から開始する研究会には、品川女子学院校長の漆紫穂子氏、お茶の水女子大学大学院教授の坂元章氏、浜松大学講師の七海陽氏ら、メディアや児童文化などに詳しい専門家8人程度が参加する。第一期テーマとして、「利用者のリテラシーレベルに配慮した双方向利用型サイトの運営状態」について、約半年間研究を行う。

こうした研究の成果は、「ネットスターとヤフーが提供するフィルタリングサービスなどへ反映させるほか、保護者やウェブサイト運営者らに公開していく」(両社)としており、児童・生徒の円滑なネット利用に役立つ研究が今後期待される。