三菱マテリアルと飛天ジャパンは、Windows Mobile搭載スマートフォンで利用可能なUSBトークン「ePass 1000 ND」と、VPNソフトウェア「L2Connect Mobile 1.4」を共同開発したと発表した。価格はオープンプライスで、5月から販売を開始する。

発表日時点での対応スマートフォンはイーモバイル「EM-ONE α」、「WILLCOM Advanced/WZERO-3 [es]」、ソフトバンクモバイル「X01T」の3機種。

新システムは、飛天が同社のUSBトークンであるePass 1000 ND用のデバイスドライバをWindows Mobile用に開発、三菱マテリアルがL2Connect Mobileに必要なインタフェースを追加した。

両社によると、USBトークンを認証鍵とするVPNシステムの提供は国内初とのこと。同システムの導入により、スマートフォンのユーザーもノートPCと同等の高いセキュリティを確保してイントラネットと通信可能としている。

USBトークンの利用イメージ(1) 。WILLCOM 「Advanced/W-ZERO3 [es]」との組み合わせ

USBトークンの利用イメージ(2) 。ソフトバンク「X01T」との組み合わせ

ePass 1000 NDが内蔵するICチップにより、USBトークンとPINコードの2つを必須とする二因子認証によるユーザー認証を実現、同方式は企業などで広く用いられている汎用的で強度の高い認証方式であり、不正ユーザーがスマートフォンを利用するリスクを最小限に抑えられるという。

スマートフォンのユーザーにL2Connect Mobile/イントラネット経由のWebアクセスを強制、L2Connect Mobileとの非接続時は通信不可とするイントラネット経由のWebアクセス(セキュアブラウズ)機能を搭載。

別途セキュリティシステムを導入済みの場合は、モバイルユーザーに対してもアクセス先の制限や履歴の記録が可能。さらに、L2Connect Mobileがインストール時にユニークに割り振る仮想MACアドレスをサーバに登録することで、指定した端末からのみにアクセスを許可する仮想MACアドレスを用いた個体識別機能を備える。

同システムはセキュリティを重視する大手企業を中心に販売を予定しており、複数の大手企業が導入を前提とした検証を既に実施しているという。また、関電システムソリューションズが同システムを利用するASPサービス「SECURE CONNECT」を提供予定。