大麻の種の"ネット売買"が原因とみられる大麻取締法違反事件が相次いでいる。警察庁が明らかにした2007年の大麻栽培の摘発件数は184件で、39件だった10年前の4倍以上。その背景には、「栽培は違法」だが、「単なる種の売買は合法」という法律上の抜け穴があり、その穴をついた業者がネットで公然と種を販売している事情がある。どうする?
大麻の種をネットで購入し栽培した事件は後を絶たない。2007年11月には、富山県警が休耕田で大麻草を栽培していたブラジル国籍の男性ら4人を大麻取締法違反で逮捕。さらに同年12月、警視庁は大麻栽培工場を摘発し、関係被疑者4人を同法違反で逮捕したが、これらの事件で栽培された大麻は、いずれもネットで種を購入していた。
また、2007年11月に関東学院大ラグビー部員が大麻取締法違反(栽培)で摘発された際は、同部部員がネットで大麻の種を購入していたとされ、この事件により、関東学院大がラグビーのリーグ戦に残り1試合を残して出場できなくなるという結果を招いた。
だが、こうした事件を防止する上での壁となっているのが、法律上の抜け穴だ。大麻取締法では、栽培する事を知って大麻の種を販売することは禁じているが、鑑賞目的などの単なる種の売買は規制されておらず、こうした事情がネットなどで大麻の種の売買が公然と行われている背景となっている。
実際、ネットで「大麻 種」で検索すると、大麻の種を売買できるサイトがすぐに出てくる。そのトップページには、「大麻の栽培は禁止されている」との但し書きはあるものの、「種の所持、食べる、鑑賞することは大麻取締法で禁じられていない」という趣旨のことが書かれている。
こうしたサイトを通じた種の売買が影響してか、2007年の大麻取締法違反事件の全体の摘発件数は3,282件と10年前の1.8倍にとどまったものの、大麻を栽培して摘発された件数は184件と、39件だった10年前の4倍以上となった。
まさに法律上の盲点をついた形で、ラグビー部の仲間うちでの大麻吸引から、休耕田での大麻栽培や大麻工場など「産業化」と言っていいほどの大規模な犯罪にまで広がっているのだ。
警察庁 薬物銃器対策課では大麻栽培の防止について、「法令に違反するものは、厳正に取り締まりを行うべきと考えている」としている。だが、「単なる種の売買は合法」という法律上の抜け穴は、今後も警察による取締りの前に立ちはだかる可能性は高い。
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