W3C Japanese Layout Task Forceは11日(米国時間)、日本語テキストの組版方法についてまとめたドキュメント「Requirements of Japanese Text Layout」をWorking Draftとして公開した。同草案については日本語版が用意されている。Requirements of Japanese Text Layoutは日本語組版の要件をまとめたもので、W3Cで策定される各種規約における日本語の取り扱いの基礎データとして活用されることになるとみられる。

Requirements of Japanese Text LayoutはJIS X 4051 "日本語文書の組版方法"をベースとして作成された要件文書。CSS、SVG、XSL-FOなどの技術における日本語組版として求められる機能がまとめられており、JIS X 4051に記載されていない要件についてもまとめられている。Web関連技術の重要性が増している現在、同ドキュメントの重要性は今後策定される多くの規約に対してきわめて価値のあるものといえる。

「日本語組版処理の要件」における解説図 - 同ドキュメントより抜粋

「日本語組版処理の要件」における解説図 - 同ドキュメントより抜粋

「日本語組版処理の要件」における解説図 - 同ドキュメントより抜粋

「日本語組版処理の要件」における解説図 - 同ドキュメントより抜粋

「日本語組版処理の要件」における解説図 - 同ドキュメントより抜粋

「日本語組版処理の要件」における解説図 - 同ドキュメントより抜粋

同ドキュメントはW3C各種規約の策定における基礎データとして整備されたものだが、日本人が自国の組版について理解するうえでもきわめて価値のあるものだ。JIS X 4051の入手は有料だが、Requirements of Japanese Text Layout (日本語組版処理の要件)はWebで閲覧できる。日本語を使わない人向けに背景の説明も加えられているなど理解しやすいものになっている。日本語の組版にどういった規則性があるかを知る上で貴重なドキュメントであるため、関係者はぜひ一度閲覧しておきたい。

同ドキュメントは英語版に日本語の画像が含まれるなど一見して特徴的なものだが、その作成過程も注目に値する。同ドキュメントを作成したW3C Japanese Layout Task ForceはJIS X 4051の関係者、企業における国際化や標準化の専門家、W3C XSL/CSS/SVG/国際化コアのワーキンググループメンバで構成され、日本語でのやりとりを基本としながらも英語によるコミュニケーションやログ、会議を実施したとしている。