米国時間の2008年3月31日に、Mozilla Organizationが公式に活動を開始してから10周年を迎えた。同組織のWebサイトにはChief Lizard WranglerのMitchell Baker氏による「Celebrating 10 years of Mozilla」というメッセージが掲載されている。同組織は2008年を通じて10周年を記念した活動を行うという。

今年2月にもMozilla.orgの10周年が話題になったが、1998年2月23日はNetscape Communicationsがブラウザのソースコードを公開すると発表したのを受けて「Mozilla.org」が開設された日だ。一方、3月31日はMozillaが具体的な形になった日と言える。

「1998年3月31日はMozillaの公式な船出の日である。初のMozillaコードがオープンソースライセンスの下で公開され、その管理団体であるMozilla Organizationが公式に活動を開始した。Mozilla用語では"3/31"と呼ばれている」(Baker氏)

Baker氏によると、10年前にMozilla.orgが掲げたブラウザ市場における選択肢づくりと革新という目標は多くの人に歓迎されながらも実現不可能と受け止められた。だが「その観点では、われわれは不可能を可能にした。容易ではなかったが、今日の状況は当時と全く異なる」と同氏。現在、Mozillaが手がけたソフトウエアは1億7000万人以上に利用されている。

過去10年の挑戦が土台となり、今後の10年には大きなチャンスが開けるという。Baker氏は今後の課題として、オープンWebの維持と開発者支援、データ利用の透明性の向上、インターネット利用体験の向上、ブラウザ用途の拡大、そしてモバイル市場でのオープンネスとコンシューマの選択肢の実現などを挙げる。また組織としては、ローカルの活動を世界へと広げる新スタイルのグローバル組織の実現、ハイブリッド組織としての持続性拡大などを目標に掲げる。

「これらは、今のわれわれの見通しに過ぎない。素晴らしいことに、今後10年で最もエキサイティングなアクティビティは、われわれが想定できない場所からもたらされそうだ。それぞれの創意にMozillaのツール、テクニック、テクノロジを組み合わせる人々によって、今は誰も想像できないような革新が現実になる可能性が広がっている」(Baker氏)