Sun Microsystemsは24日(米国時間)、米国防総省国防高等研究事業局(DARPA)から4,429万米ドルの研究開発資金を獲得したと発表した。同研究開発はDARPAが推進しているUltraperformance Nanophotonic Intrachip Communicationプログラムの一環としておこなわれるもので、手始めに810万米ドルが同社のMicroelectronics and Laboratories部門に支払われる。同資金は5年半に渡っておこなわれるシリコンフォトニック技術と近接通信技術を使ってオンチップ光ネットワークを可能にしマイクロチップのインターコネクティビティを実現するという研究計画に対して支払われる。

同社が推進する研究はDARPAのすでに完了しているHigh Productivity Computing Systemsプログラムの研究成果を土台として進められる。同社の担当は主に生産コストの低価格化と生産性の向上、パフォーマンスの向上など実際の製造へ向けた内容だ。

同プロジェクトが成功した場合、性能と価格の両方の上限によって制約されている現在の大規模コンピューティングシステムのスケーラビリティ上限を打ち破り、より低価格なチップを使ってより大規模な並列コンピューティングシステムの開発が可能になる可能性がある。こうした大規模並列システムはエネルギー探索やバイオ技術、天候モデリングなどに活用できるという。

廉価なチップを高速なインターコネクティビティを通じて集約し、巨大な単一チップのように振る舞わせることでムーアの法則を引き伸ばすことになると同社はアナウンスの中で説明している。同発表で注目すべきは研究計画の内容に廉価な製造方法を研究する項目がある点だ。製造が可能になり購買可能な金額で市場に出回るようになれば、仮想スーパーコンピュータの登場ということになる。