NTTドコモは17日、シニア向けの携帯電話「らくらくホン」の最新モデル「らくらくホン プレミアム」「らくらくホンIV S」「らくらくホン ベーシックS」の3モデルを発表した。プレミアムとIV Sは今年4月、ベーシックSは5月からの発売予定。

らくらくホン プレミアム

「しんせつ」「かんたん」「見やすい」「あんしん」をコンセプトに開発されているらくらくホンは、シニア向けとして使いやすさを追求。基本性能を強化した「らくらくホン」、通話専用の「らくらくホンシンプル(D880SS)」、通話とメールに特化した「らくらくホン ベーシック(F883i)」といったラインナップを用意。累計販売台数は今年2月までに1,200万台を突破する人気シリーズとなっている。

これまでのらくらくホンのラインナップ

累計販売台数

従来の基本的な機能に加え、ワンセグや高性能カメラ、おサイフケータイ、海外での利用といった高機能を求める声も寄せられていたとのことで、今回ドコモではこれに応える形で端末を開発した。

寄せられた要望に対して、ドコモは赤い円の部分に対して応えた

こうして開発された「らくらくホン プレミアム(F884i)」(富士通製)は、最新モデルである「F905i」をベースとして、3.1インチ(240×432ドット)フルワイドQVGFA TFT液晶を搭載。液晶部を横に倒すだけでワンセグやカメラを起動させることができる。ワンセグはシニア向けとして字幕やアイコンを大きめに表示するよう配慮した。

カラーは3色

海外でも同じ番号で通話が利用できる国際ローミングもサポート。3G(W-CDMA)とGSM方式に対応しており、世界156の国や地域で通話が可能なほか、114の国や地域でiモード通信が可能。3Gエリア(45の国や地域)ではテレビ電話もサポートする。

海外向けの機能としてほかに、海外に到着した時点で時計設定が促され、ガイダンスに沿って時計を設定すると、日本と現地の時間が両方表示される機能も搭載

おサイフケータイ機能も搭載し、ポストペイのDCMX、プリペイドのEdyアプリをプリインストール。この2アプリはシニア向けに文字を大きくするなどのUIも工夫。これ以外のおサイフケータイアプリは通常のアプリとして利用可能で、JR東日本のモバイルSuicaにも対応する予定だ。

おサイフケータイをサポート。シニア向けにUIをかんたんに、文字を大きくしている

実際のEdyの画面

メール作成を容易にするために、新たに「音声入力メール」サービスに対応。メール作成中にマイクに向かって言葉を発すると、それをサーバー側の音声認識エンジンで認識、端末に文字が入力される仕組みで、キー入力が苦手でも手軽にメールを作成できるようにした。同サービスの利用は、月額210円、パケット通信料が10.5円/5秒間入力が必要。パケ/ホーダイに加入していれば、パケット通信料は定額で利用できる。また、初回契約日から30日間は月額料金が無料となる。

音声入力メールによって、文字入力が不得手でも気軽にメール作成ができるようになる

実際に声を認識したところ

音声入力メールサービスでは、音声認識エンジンはドコモ自身が用意し、今後、これを拡張してさまざまなサービスを展開することも検討しているが、現時点では「シニア向けのメール作成」を目的として提供されるとのことだ。

GPSを内蔵し、「地図アプリ for らくらくホン」も同梱される。同アプリでは大きな文字表示や音声読み上げなどもサポートし、ワンタッチダイヤルに登録した相手に対して素早く現在位置をメール送信する「かんたん位置メール」や、ワンタッチブザー長押しで大音量のブザーが鳴るとともに、イマドコサーチ契約者に現在地を送信する「ワンタッチブザー連動機能」、通話中に、相手に自分がいる住所を音声読み上げで知らせる「かんたん位置読み上げ機能」も搭載する。

GPS機能では現在位置をかんたんに把握でき、通話相手に知らせるといった使い方もできる

そのほか、「スーパーはっきりボイス」や「ゆっくりボイス」などの通話機能、ワンタッチダイヤルボタン、押しやすい十字ボタンなど、らくらくホンならではの使いやすさを追求した機能を採用。デザイン監修として日本デザインセンター代表取締役の原研哉氏を起用して、F905iのデザインを踏襲しつつ「ムダをそぎ落としながら、デザインを主張しない」(原氏)デザインに仕上げたという。開発を担当した富士通も、最新機能と、らくらくホンのコンセプトである優しさの両立に苦労したと話す。

画面を倒すだけでワンセグやカメラが起動する

らくらくホンシリーズは、よりかんたんに使えるような要求に加え、「新機能にチャレンジしたいという要望が多かった」(ドコモ執行役員 プロダクト&サービス本部プロダクト部長・永田清人氏)。905iシリーズをベースとすることで高機能を実現し、「新しいことに挑戦する人に最適」な端末を作り上げた。永田氏は、「シニアを中心に(プレミアムで)エンジョイしてもらいたい」としている。

本体前面

本体背面

本体側面

従来通りの分かりやすいUI

永田清人プロダクト部長

デザイン監修の原研哉氏

寸法 109×50×20mm
質量 約140g
連続待受時間(3G) 約335時間(歩数計ON)/約465時間(歩数計OFF)
連続待受時間(GSM) 約215時(歩数計ON)/約270時間(歩数計OFF)
連続通話時間(3G)/(GSM) 約140分/約155分
連続テレビ電話時間 約110分
メインディスプレイ 約3.1インチフルワイドQVGA(240×432ドット)TFT液晶 262,144色
サブディスプレイ 約0.9インチ(96×60ドット)モノクロSTN 1色
外部メモリー microSDカード
外側カメラ 有効約320万画素CMOS
内側カメラ 有効約32万画素CMOS
レッド、ゴールド、ブラック

「らくらくホンIV S」「らくらくホン ベーシックS」は、既存モデルに対し、新たにカラーバリエーションを追加。バリューコースに対応させたモデル。追加されたカラーは、IV Sがゴールド、ピンク、ダークブルー、ベーシックSがパールホワイト、オーシャンブラック、メタルレッド、アイスブルーとなっている。

らくらくホンIV S

らくらくホン ベーシックS