日清食品は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で開発した新開発の宇宙食が、米国航空宇宙局(NASA)スペースシャトル「エンデバー号」に積み込まれたと発表した。

今回積み込まれたのは、宇宙食として初めて採用された新開発の「うどん」「そば」「焼き鳥」「いなり寿司」「生姜いなり寿司」「お好み焼き」。そのほか、過去にもシャトルに搭載されたことのある「ラーメン」(しょうゆ、カレー、シーフード)の合計9品目。

宇宙食の「うどん」「そば」「焼き鳥」

同「いなり寿司」「お好み焼き」

土井隆雄宇宙飛行士は、搭乗前の記者会見で「うどんやそば、焼き鳥などの日本の宇宙食を食べるのも楽しみ」とコメント。これらの宇宙食は同氏のリクエストを元に日清食品がJAXAと共同開発した。同社は創業者の安藤百福の強い思いにより、宇宙食ラーメンの開発を開始。2005年7月には、世界初の宇宙食ラーメン「スペース・ラム」が野口聡一宇宙飛行士の宇宙食として、スペースシャトル「ディスカバリー号」に搭載されている。

今回搭載の「そば」「うどん」も「スペース・ラム」と同様に、微小重力(無重力)空間でもスープが飛び散らないよう粘度を高めたほか、スペースシャトル内で給湯可能な70度のお湯でも湯戻し可能な麺を小麦粉やでんぷんの配合を工夫することで実現したという。また、スープと同様に、一本一本の麺が飛び散らないように、湯戻し後も形状を保持する一口大の塊状麺を採用する(特許取得)などの技術が活かされているという。

また、めん類のサイドメニューとして開発された「焼き鳥」「いなり寿司」「生姜いなり寿司」「お好み焼き」も、インスタントラーメンの具材の開発で培った乾燥技術などを応用し、お湯を注ぐだけでの復元を実現している。