米IBMは3月12日(現地時間)、アイデンティティ/アクセス管理ソフトウェアを開発する米Encentuateの買収を発表した。買収金額等の詳細は公表されていない。Encentuateは米カリフォルニア州レッドウッドシティを拠点にする未公開企業。企業向けのシングルサインオン(SSO)など、認証やアクセスコントロール技術に強みを持つ。買収後はIBMソフトウェア部門のTivoliチームに組み込まれる。

米調査会社のForresterが2008年2月に出した報告によれば、2006年に26億ドル規模だった認証管理の市場は、2014年には123億ドル規模にまで急成長するとみられている。IBMによれば、特に鍵となるのがシングルサインオン(SSO)技術であり、あらゆるアプリケーションやリソースに対して一度のサインオン動作で安全にアクセスできる生産性の高いツールの実現を期待している。IDやパスワードなど、これらの情報はポリシーベースで管理され、企業コンプライアンスなどの要件を満たす形でセキュリティ機能が実装される。また監査やレポート機能を通して、ユーザーのアクセス動向などを調べることも可能だ。

IBMはシンガポール内にIBM Security Software Laboratoryを設立したことも発表した。アジアや世界各国に対してスペシャリストによるセキュリティサービスを提供することが目的で、この中にEncentuateのシンガポール開発部門のチームが組み込まれる予定だという。