米Yahoo!は3月5日(現地時間)、同社の内規を変更し、同社のボードメンバー選出締め切り期間を延長したことを発表した。これにより、同社の経営陣であるボードメンバーの選出日程が直近の日付から期間未定となり、Microsoftら外部の勢力による影響をしばらくの間排除する狙いがあるとみられる。Yahoo!は今回の件で時間稼ぎを行い、Microsoftによる敵対的買収以外で同社存続のための選択肢を模索することが可能となる。

当初、同社のボードメンバー選出のための人物推薦締め切りは3月14日が設定されていたものの、新たに「Yahoo!の2008年株主総会の日程発表から10日後」という内容に変更されている。現時点で2008年の同社株主総会の日程は公表されておらず、ボードメンバー人事の推薦締め切りは事実上の無期限延期状態になったといえる。Yahoo!側では「Microsoftを含むYahoo!株主がボードメンバーの推薦を熟考する時間が与えられた」とその理由を説明するが、Yahoo!買収を急ぐMicrosoftなどの勢力がボードメンバー人事を利用して実力行使に踏み込むのを一定期間阻止するのが狙いとみるのが自然だろう。

一方でYahoo!は、米Time Warner傘下のAOLとの潜在的な合併の可能性のほか、News Corp.による資金提供を受けての提携など、Microsoft以外の合併、提携交渉も水面下で進めており、さまざまな選択肢を吟味している段階だといえる。