英国高等法院は3日(現地時間)、米QUALCOMMがフィンランドNokiaに対して起こしていた特許訴訟について、特許侵害はみられないとする判決を下した。2月には米国際貿易委員会(ITC)が同様の裁定を下しており、Nokiaには追い風となった。

この訴訟は、QUALCOMMが自社が所有するGSM特許を侵害しているとして、Nokiaを相手取って2006年5月に起こしていたもの。英高等法院はこれに対し、QUALCOMMの主張する特許はすべて無効である、との判決を下した。NokiaはQUALCOMMが求めている支払い要求に応じなくてよい、としている。

ITCはQUALCOMMの特許主張を昨年12月に退けており、QUALCOMMはこれに対し不服を申し立てていた。今年2月27日、ITCは昨年12月の仮裁定を支持する判決を下しており、QUALCOMMが上訴しなかったためこの訴訟はNokiaの勝訴で終了している。

QUALCOMMはNokiaに対し複数の訴訟を起こしているが、今後中国、欧州、米国での訴訟を今年6月に予定されているデラウェア州衡平法裁判所まで保留することになっているという。だが、NokiaがQUALCOMMに対して起こした訴訟は継続するという。

QUALCOMMは約2年の間、Nokiaを相手取って11件の訴訟を起こしたが、どの訴訟でも敗訴しているという。