米Los Angeles Times(LA Times)の報道によると、1981年に起きたロス疑惑銃撃事件を巡り、ロサンゼルス市警が三浦和義容疑者を逮捕できたのは、同容疑者本人が開設したブログをチェックしていた、引退刑事の執念が築いた警戒態勢によるものであることが分かった。同ブログは「三浦和義の独り言」を指すとみられる。

LA Timesの「Japanese murder suspect Kazuyoshi Miura's blog led to his arrest abroad」と題した記事によると、銃撃事件の捜査を担当していたジミー佐古田氏は、約2年前から同容疑者によって書かれたブログをチェック。同容疑者は同ブログで、身柄を拘束されたサイパンに頻繁に行っていることを類推させるような書き込みをしていた。

佐古田氏は三浦容疑者のこうした書き込みについて、ロサンゼルス市警で殺人事件を担当しているRick Jackson刑事に昨年連絡。Jackson刑事らは米国の自治領であるグアムとサイパンの出入国管理局などに警戒するよう促していたが、こうした警戒態勢をとっていたことが、今月22日に、サイパンを訪れた後日本へ向け出発しようとしていた三浦容疑者の拘束につながった。

佐古田氏がチェックしていたブログは「三浦和義の独り言」を指すとみられるが、同ブログを見ると同容疑者は昨年5月28日付で、自らのサイパン行きに触れている。

表題は「このところ…」で、「サイパンに5泊6日で、ゆったり~と遊んできました。」「今度は9月に3・4日、再び友人らと行こうと思っています。」などと書かれており、サイパンに頻繁に行っていることを類推させるような内容となっている。また、「『弁護士いらず』の改訂版の校正も今夕にはほとんど終わりそうで、ホッとしています。」などとも書かれており、今回の逮捕後、私選でロザンゼルスの弁護人2人を選任した同容疑者にとっては、皮肉な内容ともなっている。

これらを考慮すると、引退後も捜査を続けた元刑事の執念が、ブログをきっかけとした警戒態勢を築き、逮捕という三浦容疑者にとっては想定外の事態を生んだといえそうだ。