3月7日、青函航路が開設されてから100年を迎えるのを記念して3都市に係留されている青函連絡船において同時に記念イベントが開催される。

昭和20~30年代に就航していた初代羊蹄丸(函館鉄道写真館提供)

国鉄青函航路が青森―函館間に開設されたのは1908年(明治41年)3月7日。この日午前10時に青森を出港した比羅夫丸が最初に青函航路を運行した青函連絡船だ。

その後青函連絡船は終戦目前の1945年(昭和20年)7月に米軍艦載機の空襲を受けて全船壊滅、戦後には1430人もの犠牲者を出した転覆事故も起きるなど不幸な出来事にも見舞われたが、本州と北海道との間の人と物資の輸送手段としての重要な任務を担い続けた。

だが、青函トンネルの開業に伴って1988年(昭和63年)3月に青函連絡船はその役目を終えた。船舶は外国に売却されるなどの運命をたどったが、羊蹄丸・八甲田丸・摩周丸の3隻はそれぞれ東京・青森・函館に今も係留され、記念施設として往時の隆盛を伝えている。

今年はちょうど青函連絡船開通100年と終航20年の節目の年に当たることから、このたび3隻同時での記念イベント開催の運びになったもの。当日は午前10時に3隻一斉に汽笛を鳴らし、青函航路開通100年を祝う。また、羊蹄丸と摩周丸ではそれぞれ当時の船員による模擬出港実演が開催される。このうち羊蹄丸では函館出港から航海中、そして青森入港の模様を約1時間かけて模擬実演する予定だ。

函館に係留されている摩周丸(函館鉄道写真館提供)

このほか、羊蹄丸では3月1日から30日まで、函館では摩周丸に隣接する函館駅において3月7日から4月7日まで、青函連絡船の歴史を振り返る写真展示などを行う。