米Dellは2月28日 (現地時間)、2008年度第4四半期(2007年11-2008年1月)決算を発表した。昨年1月にCEOに復帰したMichael Dell氏が経営再建計画と共に顧客重視の姿勢を打ち出し、その成果が期待されたが、利益が予想を下回る結果となった。

第4四半期の売上高は前年同期比10%増の159億8900万ドル。営業利益は7億7600万ドルで前年同期比6%減、純利益は6億7900万ドル (1株あたり31セント)で同6%減だった。これにはEqualLogicとEverdreamの買収に伴う研究開発の償却費用8300万ドル、経営再建費用5400万ドルなどが反映されている。「収益改善に向けた事業再編費用の影響をしばらく受け続けるが、長期的な価値を維持するために必要な対策であり、これらは近い将来に逆の影響をもたらしてくれるだろう」としている。

第4四半期にはノートPCの新製品が好調で、モビリティ部門がユニット数で前年同期比37%増、売上高が同24%増だった。DellはBest Buy、Tesco、DSGiなどと新たにパートナーシップを結ぶなど小売り戦略を見直している。このほかソフトウエア&周辺機器の売上が15%増、サービスが7%増だった。地域別では米国以外での売上げが16%増で、売上全体の49%を占めるまでに成長した。特にBRIC (ブラジル、ロシア、インド、中国)の伸びが著しく、ユニット数が50%増、売上が36%増だった。アジア太平洋地域/ 日本はユニット数が41%増、売上28%増。

このように経営再建効果が見られるものの、2月19日に発表されたHewlett-Packard (HP)の07年11月-08年1月期決算に比べると見劣りがする。Michael Dell会長兼CEOは「世界規模のコスト構造と競争力を目標に進み続けるが、まだまだやるべきことが残されている」とコメント。米国を中心に世界経済が景気後退へと向かう中、DellがHPを追撃する態勢を整えられるかが今後の注目点となる。

なお通年の業績は、売上高が611億3300万ドルで前年度比6%増、純利益は29億4700万ドル (1株あたり1.31ドル)で同14%増だった。