米Googleは2月26日 (現地時間)、KDDIを含む6企業とともに日米間を結ぶ大容量の光ファイバ海底ケーブルを敷設する計画を発表した。増加し続けるアジア-米国間のデータおよびインターネット・トラフィックに対応できるだけの容量を確保し、動画配信やIPコミュニケーションなど今後のネットサービスの展開を円滑に進めるのが狙いだ。

新ケーブルシステムは「Unity」と呼ばれており、計画にはKDDIのほか、Bharti Airtel、Global Transit、Pacnet、SingTelなどが参加している。千葉県千倉 - 米カリフォルニア州ロサンゼルス間の約10,000キロを結ぶ5ペアのケーブルシステムとなり、最大8ペアまで拡張可能。各ファイバペアの容量は最大960Gbpsで、拡張分を含めた最大通信容量は7.68Tbpsとなる。他のケーブルシステムともシームレスに接続し、アジア地域との接続を強化する。総建設費は3億ドル。システムの建設およびインストールはNECとTyco Telecommunicationsが担当する。作業はすでに開始されており、 2010年第1四半期に運用開始となる予定だ。

GoogleのNetwork Acquisitions担当マネージャーであるFrancois Sterin氏は「世界中のユーザーのニーズに応えるために、データセンターだけではなく、よりスケーラブルでコスト効果が高く、管理しやすいネットワークにも考えを広げるようになった。将来的に必要となるブロードバンド容量への対応はわれわれが直面する大きな課題の1つであり、特に米国-アジア間の問題解決だ」と述べる。TeleGeography Global Bandwidthレポートによると、アジア-米国間の帯域需要は2002年~2007年に年平均63.7%の成長率で増加してきた。2008年から2013年は2年ごとに倍増する見通しが示されている。

なおSterin氏は「テレコムプロバイダと競争するのは本意ではない」として、今後Googleが海底ケーブル事業に注力する可能性を否定する。「このパートナーシップ (Unityコンソーシアム)は、実現可能な利用体験を世界中の人々に提供するという、われわれの大きな目標に向けたステップの1つに過ぎない」としている。