メディア王Rupert Murdoch氏率いるNews Corp.が傘下のオンラインサービスの統合を米Yahoo!と交渉していると、経済紙の米Wall Street Journal(オンライン版)が2月13日付けの記事で報じている。これは、同紙が関係者からの話として伝えたもの。Yahoo!は現在、米Microsoftから総額446億ドルでの買収提案を受けているが、この金額が不当に安いものとして提案を拒否している。News Corp.の提案にはこうしたYahoo!の抵抗を支援する狙いがあり、話し合いの中ではキャッシュの直接提供のほか、Yahoo!株の20%以上をNews Corp.が保有する提案なども行われているという。

News Corp.からの提案は、同社とYahoo!が過去1年半にわたって幾度となく繰り返した協議の一環で行われたという。過去の話し合いはNews Corp.の持つSNSサイトのMySpaceの価格評価を巡って物別れに終わっていた。MySpaceの他にYahoo!との統合候補に挙がっているサービスとしては、ゲームサイトのIGN、映画レビューサイトのRotten Tomatoesなどがある。一方でこのニュースを報じたWSJ.comやFoxNews.comなどは統合候補に入っていない。統合によってYahoo!は経営権の一部をNews Corp.に握られるが、一定の独立性を従来通り保てるというメリットがある。

MicrosoftによるYahoo!買収提案を巡っては、米GoogleやAOL/Time Warnerなども介入の意向を見せている。またMicrosoftとYahoo!の間の争いもヒートアップしており、Yahoo!第2位の大株主である資産運用会社の米Legg MasonマネージャのBill Miller氏が「Yahoo!買収を成功させたいなら、Microsoftは買収金額を引き上げる必要がある」とコメントした。一方で100万のMicrosoft株を保有する投資家のRobert Olstein氏は「Microsoftの提案額はYahoo!の本来の価値を上回っている」と、Microsoftが提案額の引き上げに踏み出すのを牽制している。