セキュリティ世界大手のソフォスは13日、2007年10月~12月のスパム送信割合を国別にランキングした「スパム送信国ワースト12」を発表した。同ランキングによれば、ワースト2位にロシア、3位に中国、4位にブラジルがランクされるなど、経済成長率が高い国々から配信されるスパムが急増していることが分かった。特にロシアは、前回調査(2007年7月~9月)より3.9ポイント高い8.3%を占めるなど、その急増ぶりが目立っている。

スパム送信国ワースト12のうち、ワースト1位は米国で21.3%(前回28.4%)、2位ロシアは8.3%(同4.4%)、3位中国は4.2%(同4.9%)、4位ブラジルは4.0%(同3.7%)となり、世界のスパムの3分の1が米国、ロシアのいずれかから配信されていたことになる。

ロシアなどからのスパム配信が増えている背景として、世界的なネット犯罪組織の増加が挙げられる。ソフォスによれば、世界的に見ても金銭目的のスパムが増加しており、犯罪組織が詐欺目的で構築したボットネットから配信されていることが多いという。

ただし同社によれば、「ロシアなどからのスパム配信が多いといっても、必ずしもスパマーがこれらの国に拠点を置いていることは意味しない。だが、スパムをきっかけにマルウェアに感染し、ボットネットに組み込まれてしまったコンピュータが、これらの国に多数存在していることは確か」としている。

また、2007年10月には、株価操作を目的とした「pump-and-dumpスパム」が発見された。同スパムは、MP3方式のファイルを使い、特定の企業の業績について偽の情報を大量配信するもの。同スパムの発信者は、偽の情報の流布によって標的の企業の株価をつりあげ、高値に達した時点で売却して利ざやを稼ぐことを目的としている。

ソフォスでは、「心当たりのないメールに含まれているURLをクリックしない事を徹底すると同時に、マルウェア対策ソフトを導入するなど最新のセキュリティ対策をしてほしい」としている。

今回同社が発表した「スパム送信国ワースト12」は以下の通り。

国名 世界のスパム送信に占める割合(カッコ内は前回調査)
米国 21.3%(28.4%)
ロシア 8.3%(4.4%)
中国 4.2%(4.9%)
ブラジル 4.0%(3.7%)
韓国 3.9%(5.2%)
トルコ 3.8%(3.2%)
イタリア 3.5%(-)
ポーランド 3.4%(2.7%)
ドイツ 3.2%(3.4%)
スペイン 3.1%(-)
メキシコ 3.1%(1.9%)
英国 2.5%(2.4%)