米Yahoo! は、Microsoftからの買収提案を拒否する見込みだ。米国の主要経済紙Wall Street Journal (WSJ) オンライン版が2月9日付けで記事を掲載するなど、複数の米紙がYahoo! に近い筋からの情報として、同社取締役会の対応方針を報道している。

WSJの記事によれば、先週行われたYahoo! 社取締役会の席上で、1株当たり31ドルというMicrosoftの提案は「著しく過小評価されている」と結論付けられたという。提案を受け入れた状況についても議論されたが、規制当局により反故にされるリスクを考慮していない、と情報筋は明かした。取締役会は2月11日にも、同社の見解を記した文書をMicrosoft宛に送付するとのこと。

さらに記事では、近頃弱含みに推移しているYahoo! の株価を利用して、Microsoftは同社を「盗もうとしている」とYahoo! 取締役会は確信しているという。Microsoftの買収提案を拒否することは、長期間におよぶであろう乗っ取り合戦に譲歩することなく戦うという同社の姿勢を表している。1株あたり40ドル未満での提案にYahoo! 側が応じることはないだろう、と情報筋はコメントしている。

当初Microsoftが提示した買収額は、1株当たり31ドルの総額446億ドル。仮に40ドルで再提案した場合には、120億ドル上積みの総額566億ドル (約6兆円) が必要となる。Yahoo! の株価は、1月31日の取引終了時点で1株当たり19.18ドル、買収提案発表から1週間が経過した2月8日の終値は29.20ドルと、約52%上昇している。