ソニーは、新しいデジタル一眼レフカメラ「α350 (DSLR-A350)」「α200 (DSLR-A200)」を発表した。これは30日(現地時間)に米国で発表されたα350とCESで発表されたα200の日本発表にあたる。発売はα350が3月7日、α200は2月15日を予定。価格はどちらもオープンだが、想定市場価格はα350が9万円前後、α200が6万円前後。レンズキットや新しいカールツァイスレンズも発売される。

α200

新しい「α350」と「α200」はエントリー層向けのデジタル一眼レフカメラ。α350は有効1420万画素とライブビュー機能を搭載し、α200は1020万画素と低価格を特長とする。エントリーユーザー向けに2モデルを投入することでシェア拡大を図る。また、すでに発売された中級機「α700」よりも上位に位置するフラッグシップモデル(名称未定)も開発中である。

「α350」はコンパクトデジタルカメラと同じように使えるライブビュー機能を強化。従来、一眼レフのライブビューでネックとなっていたオートフォーカス性能を光学ファインダー使用時と同じレベルに引き上げるため、新しい技術として「クイックAFライブビュー」を搭載した。これはライブビューの表示に撮像素子ではなく、専用のイメージセンサーを使用。ペンタミラーをわずかに傾けることで、通常ファインダーに送られる光をこのイメージセンサーに当ててライブビューを可能にしている。通常の位相差式AFユニットを使用するため、高速なオートフォーカスが可能になる。ただし、ファインダー倍率は0.74倍とされた。

液晶モニターもライブビューに合わせ、チルト機構を搭載した。ジョイントを2カ所設けることで下向き(ハイアングル撮影用)に40°、上向き(ローアングル撮影用)に130°に可動する。横には開かないため、レンズ方向と撮影者の視線方向が左右にずれない、チルト操作が素早くできる、モニター脇にボタンが配置できるといったメリットがある。

ライブビュー状態での連写は約2コマ/秒を可能にした(ファインダー使用時は約2.5コマ/秒)。また、ワンタッチで1.4倍、2倍の望遠効果が得られる「スマートテレコンバータ」機能も搭載した。α350はグリップもライブビューを想定し、指のひっかかりを無くしたラウンド形状とした。

α350。ライブビューを大幅に強化

α350。グリップは指の引っかかりがないラウンド形状

α350。液晶モニターは約23万画素2.7型

α350。モニターは上下にチルトする

「α200」はα100の後継機にあたる。ライブビュー機能は持たないが、有効1020万画素の高解像度と高いコストパフォーマンスが特長。α350、α200共通の特長としては、ボディ内手ブレ補正機構、ISO 3200対応、9点オートフォーカス、Dレンジオプティマイザーなどがある。

手ブレ補正機構はCCDユニットを動かすセンサーシフト式。アルゴリズムの改良などにより精度を向上。2.5~3.5段相当の手ブレ補正効果があるという。ISO 3200対応は、撮像素子(BIONZ)に高感度ノイズリダクション機能を追加し、高感度でもノイズの少ない高画質を可能にしたという。オートフォーカスは中央をクロスセンサーとした9点AFとし、合焦時間を高速化した。

Dレンジオプティマイザーはα100、α700にも搭載された明るさをコントロールする機能。ただしα700で設けられたレベル設定はなく、オフ/スタンダード/アドバンスの選択となる。「クリエイティブ」スタイルはスタンダード/ビビット/ポートレートなど8種類が用意され、それぞれコントラストや彩度の微調整が可能なもの。

オプションではバッテリーが2個搭載できる縦位置グリップ「VG-B30AM」(26,250円 2月中発売)や、ガイドナンバー42のフラッシュ「HVL-F42AM」(34,650円 3月中発売)、レンズでは「バリオゾナー(Vario-Sonnar) T* 24-70mm F2.8 ZA SSM」(252,000円 2月中発売)や「70-300mm F4.5-5.6 G SSM」(110,250円 3月中発売)が新たに用意される。

α200。グリップを除き、α350とほぼ同じ

α200。ライブビュー機能がないため、モニターもチルトしない

このほかα350、α200の主な仕様は以下のとおり。

使用レンズ ソニーαレンズ、ミノルタ(コニカミノルタ)α/MAXXUM/Dynaxレンズ
撮像素子 23.5×15.7mm、原色フィルター付きCCD 23.6×15.8mm、原色フィルター付きCCD
記録メディア コンパクトフラッシュカード、マイクロドライブ ※別売アダプターによりメモリースティックデュオ系も使用可能
画質モード RAW、RAW+JPEG、ファイン、スタンダード
電源 使用電池:リチウムイオンバッテリー(NP-FM500H) ※NP-FM55H/FM50/FM30は使用不可/撮影可能コマ数:約730コマ(ファインダー使用時)、約410コマ(α350・ライブビュー時)(※CIPA準拠 内蔵フラッシュ使用率50%)
サイズ 30.8(W)×98.5(H)×74.7(D)mm 130.8(W)×98.5(H)×71.3(D)mm
重さ(電池、メディアなどを含まず) 582g 532g