The Prototype, Sam Stephenson氏は25日(米国時間)、Prototypeの最新版となるPrototype 1.6.0.2を公開した。PrototypeはJavaScriptで開発されたAjax Webアプリケーション開発フレームワーク。The MIT Licenseのもとで公開されており、2007年版Ajaxianの調査によるとscript.aculo.usとともに相変わらず高い人気を誇っている。

Prototype 1.6.0.2はいくつかの互換性問題とパフォーマンス問題を改善したバージョン。またWebブラウザ環境以外の環境でPrototypeを使った場合に存在する潜在的なセキュリティ問題への対応が実施されている。28のバグが修正されているほか、コードベースに対する改善が実施されている。またSafari 3におけるCSSセレクタの改善、すべてのWebブラウザにおけるElement#up、#down、#next、#previous処理およびEvent#findElement処理が改善された。

Prototype 1.6.0.2は後方互換性があり、ファイルを入れ替えるだけでアップグレードが可能。入れ替えが簡単にできることとパフォーマンス改善/互換性問題改善が実施されていることから、1.6.0を使っているすべてのユーザに1.6.0.2へのアップグレードが推奨されている。

また前述したセキュリティ問題の修正は、Prototype 1.5系に対してもバックポートが実施されPrototype 1.5.1.2として公開された。1.5.1.2は1.5.1や1.5.1.1と後方互換性が確保されているため、1.5.1や1.5.1.1といった1.5系を採用しているすべてのユーザにもPrototype 1.5.1.2へのアップグレードが推奨されている。