米Ciscoは1月28日(現地時間)、同社の「Data Center 3.0」戦略ならびにそのデータセンター戦略の中核となる新製品「Nexus 7000」シリーズを発表した。Data Center 3.0は従来型のデータセンターを仮想化された環境へと変革し、ビジネスニーズに合わせてITシステムを素早く対応させていく仕組みを実現する構想。Nexusは同社のスイッチ製品Catalystの機能拡張版にあたる次世代製品で、現行の10GbEだけでなく、40GbEや100GbEにも対応する強力なバックプレーンを持つほか、従来のIOSに代わるNX-OS(Nexus OS)を搭載する。

データセンターの仮想化による柔軟性とスケーラビリティ向上を実現するCiscoのData Center 3.0戦略において、今回の発表はそのインフラ部分を担うものとなる。従来のデータセンターがデータトラフィック中心だったのに対し、今日ではIPネットワークという1つのインフラにデータ、音声、ストレージといったさまざまなデータが混在するようになり、イーサネットスイッチに対する要求が高まりつつある。処理能力を増大し、こうした仮想化環境でさまざまな用途に利用できる中核製品として用意されたのがNexusシリーズだ。

Cisco Nexus 7000とスイッチモジュール群

Nexus 7000ではモジュラー型アーキテクチャを採用しており、単位シャーシあたりのバックプレーン容量は最大15Tbpsとなる。これにより最大512個の10GbEポートをサポートし、現在標準規格策定が進んでいる40GbEや100GbEといったイーサネットの拡張にもそのままのアーキテクチャで対応する。前述のようにイーサネットとストレージの混在環境もサポートし、同スイッチファブリックを介してネットワーク上のすべてのリソースに対して横断的なアクセスが可能。将来的にFCoE(Fibre Channel over Ethernet)にも対応する。またCisco Trusted Security(TrustSec)に対応する初の製品でもあり、Nexus 7000のすべてのポートに対してAES128レベルの暗号化機能がワイヤスピードで提供される。

一方で同製品に搭載されるNX-OSは、L2スイッチやIPルーティングに加え、SAN(Storage Area Network)や仮想化環境にも対応したハイブリッド型OSとなる。無停止でのソフトウェアアップデートのほか、XMLインターフェイスでのシステム情報取得や制御、起動ソフトウェアモジュール単位での自己診断や自動復帰、論理単位でのシステムパーティショニングが可能となる。

また今回の発表に合わせ、従来製品向けのオプションや機能拡張も発表された。同社のフラッグシップであるCatalyst 6500シリーズ向けの新シャーシ「Catalyst 6509 Enhanced Vertical Chassis(V-E)」と同シリーズ向け16ポート10GbEモジュール、サーバラック向けの集線スイッチ「Catalyst 4900M」、ブレードサーバ向けスイッチ「Catalyst Blade Switch」が用意される。Catalyst Blade Switchは最大8つのブレードスイッチを論理的に1つのスイッチとして認識できるVirtual Blade Switch(VBS)機能を搭載。DellのPowerEdge M1000e向けに提供されることになる。