日本AMDは、エンスージアスト向けGPU「Radeon HD 3870 X2」を発表した。同GPUを搭載したグラフィックスカード製品は既に店頭販売が開始しているが、今回の発表に伴い製品仕様も公開されている。

Radeon HD 3870 X2の登場でエンスージアスト~ローエンドまで3000シリーズが出揃う

Radeon HD 3870 X2は、1枚のカードに2つのGPUを搭載したグラフィックスカードとなる。1基のGPUの性能は、おおよそRadeon HD 3870に相当する。Stream Processor数は320基×2の計640基、テクスチャユニット・レンダーバックエンドはともに16基×2の計32基、コアクロックが825MHz、メモリクロックが900MHz(データレート:1.8GHz)となる。メモリ容量はそれぞれのGPUからそれぞれ512MB、計1GBを搭載している。

GPU Radeon HD 3870 X2 Radeon HD 3870
トランジスタ数 1.3 billion 666 million
製造プロセス 55nm
Stream Processor 640 320
テクスチャユニット 32 16
レンダーバックエンド 32 16
コアクロック 825MHz+ 775MHz+
メモリ GDDR3 1GB GDDR4 512MB
メモリ接続バス幅 2x256bit 256bit
メモリクロック 1.80GHz 2.25GHz

同社の示すRadeon HD 3870比のパフォーマンス比較

同社の示す競合製品とのパフォーマンス比較

2基のGPUは1つのスイッチチップで接続され、内部的にCrossFireをおこなっているかたちだ。現時点ではこのスイッチチップのPCI Expressインタフェース規格はバージョン1.1。ただしPC接続側のインタフェースはバージョン2.0対応である。2基のGPUによる演算能力は1テラフロップス超。また、2基のGPUを1枚のカードに搭載することで、パフォーマンス以外にも、ファンを1基に抑えられることの静音効果、2枚のカードを使用する際と比べ消費電力を抑えられることなどが挙げられる。さらにRadeon HD 2900 XTと消費電力を比較したグラフも開示。高負荷なゲーム時にはともに200W前後だが、ライトなゲームでは2900 XTが200Wのままであるのに対し、3870X2は110Wに抑えることが可能とされる。加えて省電力機能「ATI PowerPlay」によりアイドル時には47Wまで下げることが可能とされる。

1TFLPS超の演算能力を持つに至った

2つのGPU間で通信を行うため、スイッチチップを搭載する

2基のGPUを1枚に集約することで電力や静音でもメリットを持つ

Radeon HD 3870 X2が対応するDirectX バージョンは10.1。シェーダーモデルサポートは4.1となる。また、他のRadeon HD 3000シリーズ同様UVD機能も搭載している。

MSIの製品

Sapphireの製品

PowerColorの製品

オリジナルファンを搭載したGeCubeの製品

カードの裏面を見ると2基のGPUを搭載していることが良く分かる

Radeon HD 3870 X2は2008年Q1中にCrossFireXへの対応が予定されている