これまでCSSのレンダリングが標準に準拠していないと何かと問題の種になっていたIEだが、現在開発が進められているIE8ではかなり標準規約に準拠したレンダリングが実施されるようになるとみられている。ACID2のレンダリング試験を開発中のIE8がクリアした話題も多くの関係者の目をひいた。策定中のACID3についての結果はまだ発表されていないが、同レンダリング試験もクリアしてくることになりそうだ。

IE8で標準規約への準拠が進むのは好ましいことだが、IE 6/7との互換性という面では好ましくない。これまでIE6/7向けに開発されてきたサイトは、今度はIE8では表示が崩れるということになりかねないからだ。同問題に関して21日(米国時間)、A List ApartにおいてBeyond DOCTYPE: Web Standards, Forward Compatibility, and IE8という記事が公開された。これはIE8でより標準に準拠したレンダリングを実施するには、meta要素やHTTPヘッダで指定を実施することになると説明したものだ。

同記事によればHTML文書のmeta要素でたとえば次のように指定すればIE8で標準規約に準拠したレンダリングが実施されるようになるという。

<meta http-equiv="X-UA-Compatible" content="IE=8" /\>
meta要素によるブラウザの指定例 - A List Apartより抜粋


<meta http-equiv="X-UA-Compatible" content="IE=8;FF=3;OtherUA=4" /\>
meta要素によるブラウザの指定例 - A List Apartより抜粋


<meta http-equiv="X-UA-Compatible" content="IE=edge" /\>
meta要素によるブラウザの指定例 - A List Apartより抜粋

また同指定はHTTPヘッダで指定してもいいようだ。

X-UA-Compatible: IE=8;FF=3;OtherUA=4
HTTPヘッダにおけるブラウザの指定例 - A List Apartより抜粋

何も指定しなかった場合はIE7と同じレベルのレンダリングが実施されることになるとみられる。現状の互換性を維持しつつも、標準規約への対応も進めるという折衷案というわけだ。他のWebブラウザとの互換性を加味すると、徐々にIE8で実現されるより標準に準拠したレンダリングに対応させていく必要があるだろう。WebデザイナなIE8のリリースや対応する標準規約なども含めて同実装の動向に注目しておきたい。