米IBMは21日(現地時間)、現在米フロリダ州オーランドで開催されているLotus製品のパートナーイベント「Lotusphere 2008」において、同社コラボレーションソフトウェアの新製品ならびに今後のロードマップについて発表した。新製品の名称は中小企業(SMB)向けのサーバスイート「Lotus Foundations」と「Bluehouse(開発コード名)」で、両製品を組み合わせることで従業員間の情報共有といった基本的なコラボレーションが容易に実現できる。また専任のITスタッフなしでのシステム展開や自動管理が可能な点も特徴。このほか、Web 2.0技術を積極的に採り入れたNotes/Domino 8.0.1の2月リリースや、次期主力バージョンとなるNotes/Domino 8.5のベータリリースもアナウンスされている。

Lotus Foundationsは、IBMが18日(現地時間)に発表したばかりのカナダ企業Net Integration Technologiesの技術がベースとなっている。同社はSMB向けのサーバ製品パッケージを主力としており、これはMicrosoftのSmall Business Serverに該当するもの。Lotus Foundationsのパッケージには、Lotus Domino Mailとそのコラボレーション機能、ファイル管理、ディレクトリサービス、ファイアウォール、バックアップ/リカバリ、オフィススイートといった機能が含まれており、これ1つを導入しただけで一通りのITインフラが整うことになる。OSはLinuxベースで、自動管理などの機能による管理業務の省力化を目指している。5~500人程度の規模での利用を想定しており、必要に応じてスケールアップが可能。製品はIBMのパートナーを通じて提供される。

またLotus Foundationsとペアで使用されることになるBluehouseは現在開発中のベータ版で、企業がインターネットをまたいで別の組織とコラボレーションを行う"エクストラネット"環境を構築する。具体的にはコンタクトリストやファイルの共有、プロジェクトの確認、インスタントメッセンジャーやWebカンファレンスの実施など、さまざまなコラボレーション機能が提供されるようだ。現在はクローズドベータの状態で、年内にも詳細が公開される予定だという。

Lotus Fundations / Bluehouseのほか、IBMではLotus関連製品のロードマップについても言及している。現在のNotes/Dominoの最新バージョンは2007年8月にリリースされたバージョン8で、ODFサポートやツールの統合など、最新環境に向けたアレンジが図られている点が特徴。2月には「My Widgets」やWindows Mobile端末向けのレプリケーション機能である「Lotus Notes Traveler」をサポートしたバージョン8.0.1のリリースが予定されている。また次期メジャーリリースとなるNotes/Domino 8.5のベータ版も発表されており、こちらはLotus Domino Web Applicationの機能拡張ほか、Ajaxやスタイルシートのサポート、RSS/ATOMフィードの対応など、よりWeb対応が強化されたバージョンとなる。

このほか、「Lotus Symphony Beta 4」の提供もアナウンスされている。IBM/Lotusブランドで提供される無償オフィススイートの集大成で、新ベータがリリースされるたびに大幅な機能強化が図られている。ベータ4での最大の特徴はマルチランゲージ対応で、従来の英語版に加え、新たに日本語を含む24言語への対応が行われた。