19日(協定世界時)、Perlの最新版となる「Perl 5.10.0」のリリースがperl.perl5.portersにおいて発表された。PerlはC言語で開発されたスクリプト言語。機能拡張された正規表現や強力な文字列処理機能が特徴で、柔軟な記述スタイルに特徴がある。多くの拡張モジュールが提供されさまざまな開発に適用できる。スクリプト言語としては実行速度が高速である点も注目点だ。

Perl 5.10.0は5年におよぶ開発を経て公開されたメジャーバージョンアップ。5.10系の初のリリースとなる。またPerl 5.10はPerl 1が公開されてから20年目となる記念すべきリリースでもある。インターネットの普及当時、強力で実用的なスクリプト言語として一世を風靡したプログラミング言語もついに20歳だ。

Perlはその登場以後、多くのプログラミング言語に影響を及ぼしてきた。特にその強力な正規表現はほかの言語にも取り込まれている。実用用途での採用がはじまったスクリプト言語としてはもっとも有名なもののひとつだが、ここ数年の間、多くの話題をほかの言語に譲ってきた。スクリプト言語としてはJavaScriptやRuby、Pythonが最近の流行だ。CGIの時代はPerlにスポットライトがあたったが、以後はJavaやPHPに注目が移っている。Perlはここ数年、ほかのプログラミング言語と比べると関連するフレームワークや開発環境、言語自体のバージョンアップなど話題になりやすいニュースがそれほど頻繁にはでていなかった。

しかしPerlはさまざまなモジュールが開発され提供されている。現在でもPerlをシステムに採用しているところは多い。インターネットが普及をはじめた時期にPerlを使って開発をはじめたデベロッパは現在では多くの経験と高い技能をもったデベロッパだ。そうしたデベロッパにとってPerlほど強力なスクリプト言語はほかに存在しない。今後もPerlは一定層のデベロッパを惹きつけつづけるだろう。