France Telecom傘下でフランスの携帯電話キャリア最大手の仏Orangeは12月5日(現地時間)、フランスで11月29日より販売がスタートしたiPhoneの販売台数が5日間で3万台に達したことを発表した。Orangeによれば、48%が新規回線契約につながっており、iPhoneが新規ユーザー獲得に大きな役割を果たしていると述べている。

米国では発売開始 (6月29日)から2日間の販売台数が27万台だったのに比べると、フランスの数字は少ない。だがフランスでは他国では見られない "アンロック版" の提供が行われており、これを求めるユーザーが欧州中から集まったことで盛り上がりを見せているといわれている。

欧州でのiPhoneの販売価格は399ユーロで、これに携帯電話キャリアとの2年間の回線契約が求められる。Orangeの場合は月額49~119ユーロまでの4種類のプランが用意されており、これら契約プランを選択したユーザーは399ユーロでiPhoneを購入できる。Orangeではそのほかに549ユーロで回線契約なしにiPhoneを購入できる「Orange pour iPhone」と呼ばれるパッケージも用意しており、既存の契約プランを利用したい、あるいは上記4種類以外のプランを選択したいユーザーをターゲットにしている。

通常、iPhoneは独占販売キャリアとの回線契約を条件に販売されているが、フランスでは法律上、携帯端末の提供にあたってはSIMカードの入れ替えでどのキャリアでも利用できるようにする、いわゆる "アンロック版" を用意しなければならない。iPhoneも例外ではなく、Orangeは100ユーロでiPhoneを "アンロック化" するサービスを用意している。2年契約を行ったユーザーでも契約開始から(フランスが法律で定める)6ヶ月が経過した後であればiPhoneのアンロックが可能で、100ユーロさえ払えば契約を残したまま自由にiPhoneを使い回すことができる。またOrangeとの契約なしでフランス国内あるいは他国の別のキャリアでiPhoneを使いたいユーザーは、Orange pour iPhoneにアンロック費用の100ユーロを加えた計649ユーロでiPhoneを入手可能ということになる。

Orangeによれば、5日間の販売台数のうち48%が新規契約に結びついたというが、同時に3万台のうちの80%がOrange pour iPhoneの購入だったという。アンロックサービスを利用したユーザー数は不明だが、80%という高い数字から同サービスへの関心の高さが想像できる。