マイクロソフト、秋葉原で国内未発売のWindows Mobile機を展示

  [2007/11/28]

マイクロソフトは23日、週刊アスキーの創刊10周年を記念して秋葉原で開催された「秋葉原 週アスまつり」に特別協賛し、日本未発売のWindows Mobile搭載スマートフォンなどを展示・デモンストレーションした。

国内発売中の全機種に加え海外製品も展示

会場となった秋葉原UDX内のイベントスペース・AKIBA_SQUAREでは、Windows Mobileにフォーカスしたマイクロソフトの特設ブースが用意され、日本で現在販売されている全機種、そして海外で提供されている日本未発売モデルのWindows Mobile搭載デバイスが展示されたほか、Windows Mobileで可能となるモバイル機器のユニークな使い方などが紹介された。

日本ではウィルコム・シャープによる「W-ZERO3」シリーズのヒットもあり、スマートフォンといえばタッチパネルとQWERTYキーボードを搭載した機器というイメージが強い。しかし、この日展示された海外のWindows Mobile機は、タッチパネルでない普通の液晶ディスプレイを採用していたり、一般的な携帯電話のようなテンキーのみだったりと、多様なラインナップとなっていた。

ブースに並べられた海外機種は5製品で、このうち3機種は日本でもNTTドコモやソフトバンクモバイルに端末を供給するHTC製のものだった。「HTC Vox」はスライド式のQWERTYキーボードを搭載するものの、小型なのが特徴で、スライド部を閉じたときは2.4型の液晶ディスプレイ(非タッチパネル)とテンキーのみが表面に現れる形となり、従来のストレート型携帯電話のようにも見える。「HTC Touch」は来年NTTドコモ向けに出荷される「HT1100」のベースとなっている製品で、画面上で指をすべらせることで操作できる「TouchFLO」技術を採用したモデル。海外でも発売されたばかりの「HTC Shadow」は、スライド部を出すとテンキー型のキーパッドが現れる非タッチパネルのスマートフォンで、ホイール型のコントローラーやアニメーションするメニュー画面などが特徴。キーパッドはテンキーの左右にそれぞれ4個ずつキーを増やしたレイアウトで、それぞれのキーに2文字ずつのアルファベットがQWERTY配列で割り当てられている。

左から「HTC Shadow」「HTC Touch」「HTC Vox」。タッチスクリーンを持つTouchはWindows Mobile 6 Professional、ShadowとVoxは同Standardを搭載する。ShadowはT-Mobile向けに供給される端末となる

残る2機種はMotorolaの「MOTO Q9h」とPalmの「Treo 500v」で、いずれも小型のQWERTYキーボードを本体表面に備えたストレート型のスマートフォン。日本で発売されている「X02HT」に近いスタイルだ。スライドを開くといった機構部分がなくても長文メールの作成がしやすく、片手で持っているときもすべてのキーに触れられるので、外出先でも常にメールをチェックする必要のあるビジネスユーザーなどがメインターゲットとなる。

左から「Treo 500v」「MOTO Q9h」。Windows Mobile 6 Standardを搭載する。Treo 500vはVodafone向け端末

また、Windows Mobile搭載スマートフォンの使いこなし方を紹介するWebサイト「WindowsケータイFAN」による展示としては、Windows Liveメッセンジャーを利用したWindows MobileとXbox 360の間でのチャットや、Skypeを使った文字・音声による会話などがデモンストレーションされた。

Windows Mobileデバイスを使ったさまざまな利用方法を提案

加えて、パワーユーザーのための高度なテクニックとして、自宅のテレビで受信した映像をインターネット経由で転送する周辺機器「Slingbox」を使えば、ワンセグ受信機能などを持たない機種でも外出先でテレビが見られるとするデモや、Windows Mobile用フリーウェア「ZEROProxy」を利用して、無線LANアクセスポイントのない場所でも「iPod touch」をインターネットに接続できるようにするという使い方など、秋葉原でのイベントならではの先進的な利用形態が紹介された。

Xbox 360との間でもPCと同じようにメッセンジャーが使える

マイクロソフトのブースにiPod touchが置かれるという異例の展示

WindowsケータイFANでは「あなたのWindowsケータイで、幸せになったこと教えてください」と題し、Windows Mobileデバイスの利用シーンや、使いこなし方をWebサイト上で募集している。投稿が掲載された場合、先着50名に4,000円分のAmazonギフト券がもれなくプレゼントされる。

駅近くの「秋葉原案内所」でガイドをしているメイドのマスダさん(左写真)。W-ZERO3 [es]からスマートフォンを使い始め、最近はAdvanced/W-ZERO3 [es]に乗り換えた。最初に使った携帯電話はパイオニアの全面液晶携帯「J-PE02」という。若手声優の辻あゆみさん、橋本まいさんの声による着信ボイス、漫画家・イラストレーターの藤原らんかさんが描き下ろした壁紙が会場で配布された

スマートフォンをテーマにしたトークセッションも開催

週アスまつりのステージイベントでは、携帯電話研究家の木暮祐一氏をモデレーターとし、携帯電話ジャーナリストの石川温氏、スマートフォン・モバイル関連のWebサイトを運営する伊藤浩一氏kzou氏memn0ck氏山田道夫氏を招いたトークセッション「がんばれ! スマートフォン パワーユーザー車座座談会」が行われた。

携帯電話の専門家とモバイルデバイスのパワーユーザーが集まり、90分にわたってトークを繰り広げた

国内におけるスマートフォンのさきがけとして、京セラの「DataScope」を紹介する木暮氏

伊藤氏は、かつてもてはやされたPDAが、ノートPCの普及にしたがって次第に不人気となり、新製品がほとんど出なくなるという「PDA冬の時代」を見てきただけに、W-ZERO3によって携帯情報端末の市場が復活を遂げたことは感慨深いと話す。W-ZERO3発売前に、GSM方式のWindows Mobile機「BenQ P50」を香港で使ったとき、PDAに直接電話がかかってくる、メールが届くという事実に衝撃を受け、スマートフォンのヒットを確信したという。

石川氏は、この分野の商品群が「ユーザー主導で動いている」ことを指摘し、ネット上での情報交換などを通じて、便利な使い方の開発や新規購入者へのレクチャーなどをユーザー自らが行っていることが盛り上がりにつながったと分析。「それがなかったら、W-ZERO3もシリーズ化されることなく、最初の1台で終わっていたかもしれない」(石川氏)。

kzou氏は、実際に「X02HT」の販売現場に立ち会った経験から、スマートフォン市場がより一層広がるためには、デバイスの性能や使い勝手だけでなく、使いこなし方を伝えていく場が不足していると見る。Webサイトで情報を集めることができるのはかなり能動的なユーザーであり、一般ユーザーの場合、身の回りに直接教えてくれる人がいないと使い方がわからない。現状、スマートフォンに関しては店頭でも「店員よりお客さんのほうが詳しい」ことは珍しくなく、「販売店にWindows Mobile専門スタッフがひとりずついて、その人に聞けば何でも教えてくれる」(kzou氏)ような体制があれば理想的だとする。スマートフォンに興味を持っている人自体は決して少なくなく、「こんなことができないか」という要求に対し、「それならこういうソフトがある」と解決策を示しさえすれば購入に至ったケースも多いといい、確実に需要はあるとしている。

山田氏は、MS-DOS時代に登場した電池駆動対応モバイルPC「HP100LX」からのモバイル機器ユーザーだが、「PDA冬の時代」の一因を「本来は使う必要のない人まで使うようになっていたのではないか。みんながみんなスケジュール管理機能を使う必要はない。『難しい、自分には使いこなせない』とあきらめる人は多かったが、そういう人はそもそもPDAを使わなくても良かった」と振り返る。一方で、最近ではSlingboxでテレビを見たり、出先でのちょっとした空き時間にYouTubeのムービーを楽しんだりすることが多くなり、そういった用途ではスマートフォンに新たなビジネスチャンスがあるのではないかと話した。

memn0ck氏は、W-ZERO3がヒットした要因のひとつとして、PHSが定額制の料金体系を持っていたことが大きいと分析。また、W-ZERO3以前に携帯フルブラウザの需要を開拓した「京ぽん」(AH-K3001V)が存在したことも、市場を温めるのに貢献した。ノートPCでのデータ通信のためにPHSを利用していた人も多く、PCとの親和性が高かったという要素もある。

セッションの最後には木暮氏から、「スマートフォン」という言葉に、最低限の定義を与えようという提案が行われた。出席者の間では、ユーザーの手によってカスタマイズやソフトウェアの追加ができることが必須、という点で意見が一致。端末、ソフトウェア、サービス、ネットワークが垂直統合された一般的な携帯電話と異なり、ユーザーの要求に応じて必要な機能を組み合わせられる柔軟性や自由度が、スマートフォンの魅力であると再確認された。

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