The HTML Working Groupは26日(フランス時間)、「HTML Design Principles」の最初のパブリックワーキングドラフトを公開した。同ドキュメントは同ワーキンググループがHTML5の策定に採用している設計原理を説明したもの。HTML 5はこのままいけば現在主に採用されているHTML 4.01の次のメジャーバージョンになるとみられており、策定が注目されている。

同ドキュメントはHTML 5やそれに関連する仕様の設計アプローチにおいて共通のコンセンサスを得ることを目的としており、互換性、ユーティリティ、相互接続性、ユニバーサルアクセスなどで共通の設計原理のもとに作業を進められるように原理原則がまとめられている。最終的にはワーキンググループノートとして策定関係者向けのドキュメントとして公開される見通し。W3C勧告として公開される類のものではない。

HTML Design Principlesはあくまでも設計原理の原則をまとめたもので、HTML 5やそれに関係する仕様がすべて原理原則に沿ったものになるとは限らないが、HTML 5がどういったものになるかを知る上でかなり興味深いドキュメントだ。特に互換性に言及した項目は、多くのWebデベロッパやWebデザイナの興味を惹くものだろう。

また同ドキュメントはW3Cで公開されているドキュメントとしては比較的短い方であり、内容も「互換性」「ユーティリティ」「相互接続性」「ユニバーサルアクセス」の4項目について仕様策定の原理原則を説明するという理解しやすい構成になっている。サンプルが用意されているため、実際の内容を想像しやすいという特徴もある。HTML 5に興味がある関係者は一度目を通した方がいいだろう。

HTML Working GroupはWHATWGやW3C Working Groupなどを含むいくつかの異なるコミュニティによって構成されたHTML 5策定グループ。HTML 5は策定に関連しているグループや人物から、次期メジャーバージョンとしてかなり有力ではないかとみられている。