英情報コミッショナー委員会(ICO: Information Commissioner's Office)は、英国内の若者が陥っている危険なインターネット利用スタイルの実態などを調査した、最新レポートの発表を行った。安全にインターネットを楽しむためのガイドラインを記した、特設サイトも公開されている。

同レポートは、英国内の14~21歳の男女2,000名を対象として、今年10月に実施されたアンケート調査に基づいている。調査結果によれば、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)などで、全く見知らぬ人からの招待を受け入れ、友人として登録している若者が約7割に上っており、16~17歳の女子高生に限ると、実に8割以上が、SNSで見知らぬ人とのコミュニケーションを楽しんでいる実態が浮き彫りにされた。自分の誕生日を公開している人は60%、肉親の実名を公表している人は23%、詳細な住所を明らかにしてしまっている人も約1割に達し、プライバシーの設定を一切行わずに、全プロフィール情報をインターネット上でオープンにしてしまっている人も少なからずいたという。

今回の調査では、オンラインに掲載した情報が、インターネット上で長期間存在することになり、不特定多数の人からも見られる可能性があるという点を認識しているかとの問いかけもなされたようだが、約6割が、そのようなことは考えたこともないと回答。会社や学校側に、SNSで現在公開中の情報を入手されると非常に困ると思うと答えた人は、71%に上ったとされている。

ICO副コミッショナーのDavid Smith氏は「入試や就職試験の段階で、将来の学生や社員になる見込みがある人物について、インターネット上で検索し、詳細な情報の入手を試みる大学や企業も増えてきており、もしオンラインで自分について好ましくない情報まで公開されてしまっていれば、将来にまで傷が残る高い代償を払うことになる。インターネットは楽しいかもしれないが、思っているほど安全なスペースではないということも認識するように、ティーンエイジャーを助けていかねばならない」とコメントした。

なお、ICOが公開したガイドラインによれば、ブログや掲示板への書き込みは、消すことができないまま何十年も残る可能性があるため、

・よく考えてから投稿すべき
・自分のアイデンティティについて連想させる情報が一切含まれていないSNS専用のEメールアドレスを用意する

といったアドバイスが掲載されている。