NECとNECパーソナルプロダクツは26日、パソコン事業のライフサイクルマネジメントの強化を目的として、RFIDの活用を拡大すると発表した。

NECは、パソコン生産の効率化とトレーサビリティ向上のために2004年にパソコン生産ラインにRFIDを導入し、適用領域を部材調達やマザーボード製造工程に拡大することにより、最大20%程度の作業効率向上と工場内部品在庫の1/3までの圧縮に成功している。今回の発表により、RFID適用領域をパソコン生産部分以外にも拡大し、ライフサイクルマネジメントを強化することで効率化、品質管理やリスク管理の強化、顧客満足度(CS)向上を目指す。

具体的には、2008年度にパソコンのベースユニットの製造を委託している海外の工場にRFIDを活用した生産管理システムを導入し、使用部品や製造履歴などの情報をリアルタイム管理できるようにする。また、企業向けビジネスPCの出荷配送でのトレーサビリティを向上させるため、NECパーソナルプロダクツ米沢事業場から物流倉庫までの出荷配送業務におけるRFIDの評価を11月までに完了させた上、2008年度中に米沢事業場のパソコン生産ラインで生産完了済みパソコンの梱包時にRFIDラベルを梱包箱に貼り付け、工場の出荷場所、および東京の物流倉庫の受け入れ場所に設置したゲート式RFIDリーダで読み 取る仕組みを構築し、工場と物流倉庫における検品作業の効率化を図る。

このほか、2008年中にビジネスPCの工場出荷時に型番やシリアル番号、工場出荷日などの情報をあらかじめ書き込んだRFIDラベルを貼り付けるサービスをカスタマイズサービスのメニューに新規追加し、ユーザ企業のRFID読み取りシステムでのパソコンの社外持ち出し管理や資産管理業務の効率化に利用できるようにする。使用済みパソコンの再生・販売を手がけるNECパーソナルプロダクツ群馬事業場において、使用済みパソコン買い取り時のトレーサビリティ向上のため、RFID付きの授受管理伝票を使用済みパソコンに添付し、群馬事業場でパソコンを受け入れる際にRFIDを読み取ることで、搬出入管理を強化するほか、今後群馬事業場内の再生工程の進捗管理にも展開していく予定だ。