米BEA Systemsは15日(現地時間)、同社会計年度で2007年第3四半期(8 - 10月期)決算の発表ならびに、米証券取引委員会(SEC)に対しストックオプション行使に絡んだ過去1年分の修正申告を行ったことを報告した。同四半期の売上は前年同期比11%アップの3億8,440万ドルで、GAAPベースの純利益は59%アップの5,600万ドルとなり大幅に利益率が向上している。BEAによれば、AquaLogic製品の売上が好調だったことが業績アップにつながったという。

事業別にみると、売上に占めるライセンス収入が1億3,480万ドルで前年同期比1%のダウン、サービス収入が2億4,960万ドルで18%のアップとなる。またBEAが近年力を入れているSOAスイートのAquaLogicのライセンス収入全体に占める売上が27%となっており、前年同期比で31%の成長を見せている。米BEA創業者で会長兼CEOのAlfred Chuang氏は「今回の業績はAquaLogic製品に牽引されたものだ。AquaLogic User Interactionは過去最大の売上を記録し、SOA管理に欠かせないAquaLogic Enterprise Registry and Repositoryは第2四半期の牽引役となった。特に中国と日本を中心としたアジア太平洋地域で24%の伸びを見せている」と述べ、AquaLogicとSOAが大きく浸透しつつあることを強調した。

気になるのはOracleによる買収提案の行方だが、偶然にも決算発表の行われたのはOracle OpenWorld 2007の開催されている週。先行期待からBEA株価はOracleの提案価格17ドルを上回る水準で推移していたものの、14日に行われたアナリストとの会談で米Oracle CEOのLarry Ellison氏が「買収ターゲットとしてBEAにはこだわらない」とコメントしたのを受け16ドル台半ばまで急落。その後、BEAの好決算が発表されたものの、株価を押し上げる要因にはならなかった。15日の終値で16.70ドル、最終的に16日には16.35ドルで取引を終えている。

Oracleによる1株17ドルの買収提案に対し、BEA側が1株21ドルを主張したことで破談となった取引だが、今後の展望はどうだろうか。Oracle側では1株17ドルより上の価格を提示することはないと断言しており、大きく譲歩する可能性は極めて薄い。Oracle同様に積極的な買収戦略を推進する米Symantec会長兼CEOのJohn Thompson氏は11月初旬に開かれた記者会見の中で「買収を行う側はみな、相手企業の適正価格を知っており。それを逸脱した提案は行わないだろう」と述べており、1株17ドルで総額約69億ドルというラインを崩さないであろうことを暗に示している。Ellison氏の前述のコメントではBEA買収にそれほど本気にはなってない印象も受けるが、「ソフトウェア資産での重複は多いが、BEAは多数の優良顧客とコンサルタントを抱えており、その点でOracleと棲み分けできる」と分析するアナリストもおり、買収がかなりプラスに働くという見方もある。