米IBMは11月15日(現地時間)、データセンターなどで構成される企業の情報インフラをインターネットのようなクラウド状のネットワークにする新ソリューション「Blue Cloud」を発表した。オープンソース技術を用いて企業アプリケーションのワークロードを細かいジョブに分割し、クラウド状のネットワークインフラで適時リソースを割り当てて各々実行することで、より柔軟でスケーラブルな運用が可能になる。

Blue Cloud

同ソリューションはPowerPCまたはx86プロセッサ上のプラットフォームで動作し、IBMのTivoliソフトウェアでインフラ全体を管理する。ソフトウェアの実体はXenとPowerVMで仮想化されたLinuxイメージで、ここでHadoopで分割されたワークロードが自動スケジューリングされ、クラウド状のインフラに展開される。IBMによれば、SOAベースのWebサービスを介して既存の企業アプリケーションをBlue Cloudに統合可能だという。それにより、システム全体のスケーリングが容易になり、1つのクラウドを通してワークロード全体を管理できるメリットがある。同社では、マッシュアップやオープンなコラボレーション、SNS、モバイルコマースなど、Web 2.0やSOAなどで増加するデータの流れをより効率的に処理するのに役立つと説明する。

IBMではVietnamese Ministry of Science and Technology(MoST)とBlue Cloudについての提携を発表しているほか、一部の大学や企業などと共同で導入実験を進めているという。また上海で開催されたイベントでは、同社のBladeCenter上でBlue Cloudの動作デモを実施している。Blue Cloudの一般提供は2008年春になる見込み。