日本IBMは7日、同社が提供するブレードサーバファミリーの新製品「IBM BladeCenter JS22」を発売することを発表した。最大の特徴は、同社が提供する4GHzプロセッサ「POWER6」を4コア搭載した点。これにより高レベルのパフォーマンスを実現すると同時に、仮想化機能も搭載し、高可用性、省エネルギー化が図られているという。

日本IBM 専務執行役員 システム製品事業担当のジム・グレゴリー氏

BladeCenterが初めてリリースされたのは2002年のこと。今年は5周年という節目の年に当たる。日本IBM 専務執行役員 システム製品事業担当のジム・グレゴリー氏は、その点について触れたうえで、BladeCenterの開発テーマがこの5年間で「シンプル化から管理、そして拡張へと変遷してきた」ことを説明。現在のBladeCenterにおけるキーワードとして以下の4つを挙げ、BladeCenter JS22がそれを実現する製品であることを強調した。

  • RIGHT: お客様のさまざまなニーズに合わせた正しい選択
  • OPEN: 柔軟なビジネス基盤のためのオープンで革新的なプラットフォーム
  • EASY: 導入、統合および管理の容易性
  • GREEN: エネルギー効率が高く、環境にやさしい

BladeCenter 5th Anniversaryのロゴ

BladeCenter JS22

BladeCenter JS22に搭載されたPOWER6は、同社が今年5月に発表した、65ナノメートルのプロセスルールによるプロセッサ。4GHzの動作周波数を実現し、前バージョンのPOWER5に比べて性能が2倍以上向上しているという。今回、そのPOWER6を4コア搭載したことでパフォーマンスが大幅に向上。「23ラック相当の5Uサーバと同等規模のシステムを1ラックで構成できるようになった」(グレゴリー氏)という。

なお、BladeCenter JS22では、従来より提供されているシャーシ「BladeCenter H」、「BladeCenter HT」に対応。前者は、BladeCenter JS22を最大14枚収納可能、後者は最大10枚収納可能だという。

BladeCenter JS22のスペックは以下のとおり。

プロセッサ 4GHz POWER6 4コア
メモリ 最大32GB DDR2メモリー(DIMMスロット×4)
ディスク 146.8GB SAS ディスク
対応OS AIX V5.3 TL 5300-06 SP4以降、AIX V5.3 TL 5300-07 以降、AIX V6.1 TL 6100-00 以降、Novell SUSE Linux Enterprise Server 10 for POWER SP1 Update 1 以降、Red Hat Enterprise Linux for POWER V4.6以降、Red Hat Enterprise Linux for POWER V5.1 以降(i5/OSにも2008年第1四半期以降に対応予定)
仮想化ソフトウェア 「Advanced POWER Virtualization」スタンダードエディション
最小構成価格 93万2,505円
出荷開始日 2007年11月30日

日本IBM システム製品事業 ブランドマーケティング担当の田口光一氏

また、同社は併せてBladeCenterの販売施策も発表。BladeCenter VPP(Value Partner Program)を、10月3日に発表したSystem p VPPと連携させるとともに、「協業マーケティング支援プログラム『Seminar in a box』を展開する」(日本IBM システム製品事業 ブランドマーケティング担当の田口光一氏)ことを明らかにした。

加えて、試験的な取り組みとして、セカンドライフ内の「IBM Japan Plaza」にBladeCenter情報提供コーナー(URLは「http://slurl.com/secondlife/IBM%20Japan/128/128/0」)を開設。3Dのバーチャル空間で製品のイメージを閲覧できる環境を用意している。

セカンドライフ内のBladeCenter情報提供コーナー。テーブルの上にはBladeCenterシリーズの各製品が並ぶ

各製品はブレードを外して見ることも可能