インテル インテル技術本部 本部長 及川芳雄氏 |
インテルは31日、ハイエンド・サーバ向けプロセッサの新製品として、「デュアルコア インテルItaniumプロセッサー 9100番台」7製品を発表した。同日出荷開始となる。
まず概説を行なった同社のインテル技術本部 本部長の及川芳雄氏は、同社のサーバ・プラットフォームへの取り組みとして「包括的なサーバー・プラットフォームの研究/開発」と「業界各社との協業」を挙げ、独自アーキテクチャ製品が多いハイエンド・サーバ市場に標準コンポーネントとして投入されたItanium(IA64)プロセッサの意義を改めて強調した。
続いて詳細説明を行なった米Intelのデジタル・エンタープライズ事業本部 副社長兼サーバー・プラットフォーム事業部長のカーク・スカウゲン氏は、サーバ向けプロセッサの最新情報として、Xeonプロセッサの新生代となる45nmプロセスによる「クアッドコア インテルXeonプロセッサー5400番台」などが11月に正式発表され、プロダクトファミリーの刷新が行なわれることを予告した。
Intel デジタル・エンタープライズ事業本部 副社長 兼 サーバー・プラットフォーム事業部 カーク・スカウゲン氏 |
また、本日発表となったItaniumプロセッサー9100番台(コード名: Montvale)については、特にRAS(信頼性、可用性、保守性)機能に関する強化に重点が置かれたとした。具体的な新機能として紹介されたのが、「コアレベル・ロックステップ」「デマンド・ベース・スイッチング」「FSBの増速」の3点だ。
コアレベル・ロックステップは、いわば演算処理の二重化だ。2つのコアでそれぞれ同一の演算を実行し、結果が一致することを確認しながら処理を進めていくという、メインフレーム・クラスの信頼性確保技術となる。2つのコアをまとめ、高信頼な1つの論理コアとして扱う技術だともいえる。プロセッサ・レベルでの「プロセッサー・ロックステップ」は現行製品であるItanium2プロセッサー 9000番台で提供されていたが、今回は、デュアルコア・プロセッサのコア・レベルで動作することで、シングル・ソケットのサーバでも高信頼性を確保することが可能になっている。ただし、同日付で発売された7種のプロセッサにはこの技術は未実装で、ロックステップ機能付きモデルは2008年第1四半期から出荷開始の予定となっている。
デマンド・ベース・スイッチングは、プロセッサの利用率に合わせて消費電力(クロック周波数)をダイナミックに低減する低消費電力化技術で、OSと連携して動作し、消費電力および発熱量を削減する。FSBの増速(667MHz)は、当初は現行製品であるデュアルコア Itanium2プロセッサー9000番台(コード名: Montecito)での対応が予告されていながら、発売直前にキャンセルされたもの。約1年遅れての市場投入となった。
デュアルコア インテルItaniumプロセッサー 9100番台
製品名 | 動作クロック | システムバスクロック | オンダイL3キャッシュ容量 | 価格 |
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デュアルコア インテルItaniumプロセッサー 9150M | 1.66GHz | 667MHz | 24MB | 42万900円 |
デュアルコア インテルItaniumプロセッサー 9150N | 1.6GHz | 533/400MHz | 24MB | 42万900円 |
デュアルコア インテルItaniumプロセッサー 9140M | 1.66GHz | 667MHz | 18MB | 22万5,700円 |
デュアルコア インテルItaniumプロセッサー 9140N | 1.6GHz | 533/400MHz | 18MB | 22万5,700円 |
デュアルコア インテルItaniumプロセッサー 9130M | 1.66GHz | 667MHz | 8MB | 17万6,900円 |
デュアルコア インテルItaniumプロセッサー 9120N | 1.42GHz | 533/400MHz | 12MB | 10万3,700円 |
シングルコア インテルItaniumプロセッサー 9110N | 1.6GHz | 533/400MHz | 12MB | 7万9,300円 |
このほか、さらに次の世代となるコード名Tukwilaの"First Silicone"も日本初公開され、開発が順調に進んでいることがアピールされた。Tukwilaはクアッドコアとなり、ハイパースレッディングを実装するほか、メモリコントローラの統合や高速インターコネクトによるプロセッサ間接続など、デスクトップ系プロセッサでのNehalem世代と歩調を揃える形の機能が実装される模様。