Google Phone計画の発表準備に続き、米Googleが同社Webメールサービス「Gmail」のリニューアルを進めていることが話題になっている。一部メディアで「Gmail 2.0」と呼ばれている新サービスについて、Gmail開発チームは29日夜(現地時間)の公式Blogへの投稿の中で、その概要の一部を明らかにした。速度面での改良のほか、インタフェースの一新など、メジャーバージョンアップにふさわしいものになるようだ。

米国の複数Blogメディアが伝えるところによれば、GoogleはGmailで使われているJavaScriptのプログラムを書き直し、より高速な新バージョンのリリースを進めているという。正式名称ではないが、この新バージョンは「Gmail 2」「Gmail 2.0」などと呼ばれており、数週間内にも一部ユーザーから順次提供されることになるようだ。Gmail開発チームは29日の公式Blogの中でリニューアル・プロジェクトの存在を認めており、Firefox 2とInternet Explorer 7ユーザー向けに数週間内にも提供開始する予定だと述べている。

新バージョンではコードの改良による速度向上が図られているのが特徴で、細かいチューニングによる高速化のほか、プリフェッチによるサーバの応答なしでの画面の切り替えなど、よりストレスを軽減する工夫が凝らされている。例えばMacBook上のSafari 3でGmailメールメッセージを開いたとき、200ミリ秒ほどで動作が完了するという。このほか、他のGoogleアプリケーションで使用されているコンポーネントの共用化、新規ショートカット、検索結果や特定メッセージのブックマーク機能などが新たに追加される見込みだ。つい先日、GmailのIMAP対応が発表されたが、この機能を利用できるのは現状で一部ユーザーに限定されている。Gmailのリニューアルも同様に一部ユーザーでテストを開始して、順次その枠を広げていく形態になりそうだ。

Google Phoneや新Gmail提供の話題を受け、Google株価は30日の取引開始から急騰した。677.51ドルでスタートした価格は一時700ドルまであと9セントの水準まで迫り、694.77ドルで取引を終えた。Googleは10月初旬に初の600ドル台到達を実現しており、今週の取引で700ドル台に到達すれば、1ヶ月以内で株価最高値の大台を更新することになる。30日の取引終了後、米国の複数メディアがGoogle Phone提供について、Googleと携帯キャリア大手の米Verizon Wirelessが提携を進めていると報道しており、このようなプラス材料を考慮すると700ドル台到達は時間の問題という状況だ。