ポータルサイト「Daum」を運営する韓国Daum Communicationは、ユーザーが検索結果を自由に作成できる「検索ショー」サービスを開始した。

キーワードを入力すれば、検索サイトのエンジンの出力結果が一覧表示されるというのが一般的な検索サービスである。しかし検索ショーでは、利用者が特定のキーワードとそれに対応する結果をそれぞれ指定し作成できる。検索キーワードの前には「@」を付けて、Daum内の通常の検索と区別する。

Daum内で紹介されている、検索ショーの一例を挙げてみよう。「@オーブンcook」で検索してみると、「オーブンcook」という名前の主婦による料理同好会に関する結果が、最上段に表示された。一定の大きさのスペースに写真や壁紙付きで公式ブログへのURLや同好会概要が紹介されているので目立つ。

検索ショーの一例 - 背景の壁紙はDaumが用意したものを選択でき、挿入する写真は自由に入れ込める。また写真と文章の配置に関するテンプレートも、いくつか用意されている

このように、利用者が検索キーワードを特定し、それに関する写真や自己紹介文、URLを検索結果としてセットで登録できるのだ。これにより、上記で紹介した「オーブンcook」にとっては、自分たちについて手軽にアピールできる良い機会となる。

検索ショーでは、1人あたり5つまでの検索キーワードおよび、それに対応した検索結果を登録できるほか、登録した検索ショーの表示期間は10日~1年間と決められている。また新しく作られた検索ショーは「新規登録された検索ショー」に、人気の検索ショーは「検索ショーネティズンベスト」という形で、検索ショーのトップページに表示されるので、宣伝効果が期待できる。

ちなみに「オーブンcook」の自己紹介スペースの下には、「オーブンcook」で検索されたWebサイトやブログ、掲示板、ニュース記事といった、通常のDaum検索による結果が出ている。

検索ショーの用途は、同好会紹介以外にも自己紹介、パーティや結婚式の招待状、ビジネスミーティング通知などが考えられ、「表現」し「知らせる」ために有効なサービスといえる。このほかDaumが紹介するユニークな使い方として、「プロポーズ」という用途がある。プロポーズのために、あらかじめ検索ショー登録をしておいて、後からお目当ての人に検索してもらうという方法だ。自分のためだけに作られた検索結果が最上段に出てくるとなれば、相手も感動して心が動くかもしれない。

Daumによると、今後の検索ショーについて「単に知識や情報を探す1次元的な検索機能から脱皮して、利用者間の新たなコミュニケーション道具として活用できるようにしていく」としており、さらに多くの機能が追加されることになりそうだ。単に「探す」だけの検索から新たな形の検索へ――変化をもたらそうとするDaumの姿勢がうかがえる。