業務アプリケーション大手の独SAPは18日(現地時間)、2007年第3四半期の暫定決算を報告した。同期、売上高は前年同期比9%増の24億2,000万ユーロ、1株あたり利益は同13%増の0.34ユーロ、純利益は同10%増となり、増収増益となった。シェアも伸ばし、27%としている。

SAPによると、同期の総売上高は24億2,000万ユーロ。このうち、ソフトウェアの売上高は7億1,500万ユーロで前年同期比11%増、ソフトウェアおよびソフトウェア関連サービスの売上高は同13%増の17億4,000万ユーロとなった。

営業利益は前年同期比9%増の6億100万ユーロ、営業利益率は24.8%だった。純利益は前年同期比10%の4億800万ユーロ。1株あたり利益は0.34ユーロで、前年同期と比べると13%増えた。

同社がソフトウェアおよびソフトウェア関連の売上高から割り出した第3四半期のコアエンタープライズアプリケーション市場のシェアは27%。これは、前四半期(2007年第2四半期)の26%から1ポイント伸ばしたことになる。前年同期は23.5%で、年間で3.5%増加した。

SAPでは、中規模市場向けの事業を今後のフォーカス市場としており、今後2年で3 - 4億ユーロを投資する計画を発表していた。2007年の最初の3四半期ですでに8,500万ユーロを投資しており、将来の成長に向け、利益率の約1 - 2%を投資していることになるという。

なお、今年9月に米国とドイツで提供を開始した中規模企業向けのオンデマンドサービス「SAP Business ByDesign」は、すでに20社が稼動に入っているという。

同社では、2007年通年の見通しとして当初の前年比12 - 14%増の上限に近いレベルを達成できると予測している。通年の営業利益率は、26 - 27%と見込んでいる。

地区別には、EMEA(ヨーロッパ・中東・アフリカ)、アジア太平洋・日本、アメリカの3地区すべてで、総売上高、ソフトウェア、ソフトウェアおよびソフトウェア関連サービスの3項目で前年同期比増となった。

SAPのCEO、Henning Kagermann氏は、「すべての地区で、ソフトウェアおよびソフトウェア関連サービスの売上高は連続して2ケタ成長となり、シェアもさらに伸ばしたことに満足している」と述べている。